今回は、コンポンクデイ事務所のお掃除&お料理を担当してくれているヴォンさんの紹介です。彼女はとっても細い身体でてきぱき働くしっかり者です。コンポンクデイの隣の地区の出身、36歳のお姉さん。おそらくカンボジア現地通信に初登場のヴォンさんを紹介したいと思います!
石山-ヴォンさんは本当に料理上手だと思うんだけど、どこで覚えたの?
ヴォンさん:20歳の頃から10年間、シェムリアップ市内のレストランで働いていたんだよ。最初はほとんど料理ができなかったんだけど、そこのレストランに入ってから学んだの。そこでは、カンボジア料理を初め、ピザとか、ハンバーガーとか、洋食も作っていたよ。ここのコンポンクデイでは必要な機材がないから作れないんだけどね・・・。
-そこで学んでこんなにおいしい料理が作れるようになったのかあ。シェムリアップ市内で働く前は、何をしていたの?
:家の手伝いをしていたよ。私は8人兄弟の長女なんだけど、お金がなくて小学校2年生までしか勉強してないの。兄弟の中で勉強を続けたのは7番目の妹だけ。妹は今高校3年生で、もうすぐ高校卒業試験があるよ。近くの塾にも通ってる。私は、下の子たちを学校に行かせるためにずっと働いてるの。シェムリアップ市内のレストランを30歳のときに辞めてコンポンクデイに戻ってきて、働くところがなかったから家の手伝いをしていたとき、私の2番目の妹がJVCのお掃除の仕事をしていたけど近くの塾にある売店の手伝いをすることになって、そこでJVCのお掃除の後任として誘われたんだ。
-近くの塾にある売店の手伝い、ヴォンさんもしているよね? :うん。今は、朝6時~夕方5,6時までJVCで掃除と料理をしているけど、お昼の時間には塾にあるかき氷屋の手伝いをしているよ。土日にはコンポンクデイ市場の近くのごはん屋さんで料理を作ってるんだ。
-忙しい・・・。時間があるときには、どこかに出かけたりするの?
:暇な時間はないよ。遊びに行くこともない。カンボジアのお正月(4月中旬)には、みんな遊びに行ったり家族と集まったりするけど、私はごはん屋さんで働かなきゃいけなかったから、どこにも行かなかった。時間があるときには、家で休んでいたい、って思うかな。でも、たしかに私の身体は細いけど、この体型は元々だから忙しくてこうなったんじゃないよ!
-家でも料理を作っているの?
:家でも料理をしているよ。今はおばあちゃんと、7番目・8番目の子と一緒に暮らしているんだ。お母さんは亡くなっていて、お父さんは大工なんだけど今は新しい奥さんと一緒にコンポンクデイから20分くらい離れた地区に住んでる。家ではごはんを作ったり、稲作をしたり、トウモロコシを育てたりもしているよ。以前はナス・きゅうり・トマトも育てていたんだけどね。
-家でもいろんな仕事をしているんだね。他の兄弟はもう結婚しているの?
:兄弟の中で、もう4人は結婚しているよ。でも、自分はまだまだしたくないよ~(笑)もっと働きたい。将来的には良い人がいたら結婚したいけど、まだわからない・・・。
-そうなんだね!ヴォンさんはいろいろな料理が作れるけど、何の料理が好きなの?
:好きな料理は、サムローココ―(魚、肉、野菜の入ったスープ)が好きかな。「いろいろな料理が作れる」って言ってくれたけど、作れる料理はそんなに多くないよ。いつかは日本料理も作れるようになりたいな。
私から見たヴォンさん
ヴォンさんはとても控えめで謙虚な女性です。「作れる料理はそんなに多くないよ」と言っていましたが、スープも炒め物もたくさんの種類を作れます。JVCオフィスでは、お昼と夜の1日2回、週5日ご飯を作ってくれていますが、同じ料理が出てくる頻度は本当に低く、そしてどの料理も本当においしいので、女性として憧れます。お掃除もとても丁寧で、小さい昆虫からトカゲや蛇まで幅広い生き物を追い払ってくれる強さも持っています。(ほとんどのカンボジア人はそのような生き物を怖がりませんが。)また、とても優しくかわいらしい性格なので、たまにキッチンに行ってヴォンさんとお話する時間が私にとって癒しの時間でもあります。お掃除とお料理の面からJVCを支えてくれるヴォンさんに日々感謝です。