\n"; ?> JVC - 【カンボジアの人びとの素顔 その2】村の出張理容師:チルンさん - カンボジア現地通信

【カンボジアの人びとの素顔 その2】
村の出張理容師:チルンさん

カンボジア現地インターン 石山 麻美
2016年6月 9日 更新

今回は、コンポンクデイ地区のお隣のスピーアントゥナオット地区に住む理容師チーアチルンさんを紹介します。チルンさんは、JVCが環境教育を行っているルビーア小学校に小学生の髪を切りに来ていました。実は、以前もこの学校に来て髪を切っていたので、この日は会うのは2回目でした。どうしてここでそのようなサービスをしているのか気になり、話しかけてみました。

とってもナイスな笑顔をくれました!とってもナイスな笑顔をくれました!

石山―こんにちは!この前もこの学校に髪を切りに来ていましたよね?

チルンさん:うん。2か月に一回、2日間続けてこの小学校に髪を切りに来ているんだよ。Angkor hospital for Children から派遣されて来ているんだ。僕はここの地域の出身なのだけど、この団体の支援で必要な機材を揃えて、僕が小学校に派遣されて髪を切ることになっているんだ。以前は他の地域の理容師が来てこの村の小学校で切っていたみたいなのだけど、ここの地域の理容師を支援すれば、地域の人の役にも立つからということで、この村に住んでいる僕を支援してくれたんだ。ここの小学校では2日間で50人の小学生の髪の毛を切るんだけど、1人当たり2000リエル(注:4000リエル=1ドルなので、50人で25ドル)を団体からもらっているんだ。

青空の下、小学生の髪をどんどん切っていきます。青空の下、小学生の髪をどんどん切っていきます。

―そうだなんだぁ。ここの小学校に来るとき以外は何をしているんですか?

普段は村で村人の髪を切ってるよ。男性専門で、一人4000リエル(=1ドル)で切ってる。給料少ないよ(笑)あと、自分の子どもと一緒に畑仕事もしてる。あとは、ここの小学校以外にも髪を切りに行っている小学校があるから、そこに行ったりしてるよ。

―男性専門なんですね!たしかに男の子ばっかり切ってますよね。

僕は女性の髪を切ったことは一度もないよ。だから女性が髪を切るのは1回いくらかも知らないや。

―へえ・・・!女の子は切らないんだあ。おもしろい。ありがとうございました!

校庭で遊ぶ男の子たち。よく見ると、切ってもらったばかりでみんな同じ髪型・・・!校庭で遊ぶ男の子たち。よく見ると、切ってもらったばかりでみんな同じ髪型・・・!

お話した感想

Angkor hospital for Childrenに始めは機材を支援してもらったとしても、そのあとも継続して自分の生まれ育った地域の小学生や村人に対して自分の技術を持って貢献できることはとても素敵だと思いました。「給料少ないよ」と言いながらも笑顔で話してくれたので、きっとやりがいがある仕事なんだろうなあと感じました。また、後からJVCスタッフに聞いてみたところ、カンボジアでは男性が男性の髪を、女性が女性の髪を切るのが普通なのだそうです。基本的には女性はみんな髪が長いのですが、まれにショートカットにしたい女性がいた場合には男性に切ってもらうこともあるそう。以前、他の小学校で女の子たちに「なんでみんな髪が長いの?切らないの?」と聞いたら、「もったいない。切られるのが怖い。」と返ってきました。男の子はどんどんと髪を切る中、女の子はひたすら髪を伸ばしているというのも、またおもしろいなと思いました。