\n"; ?> JVC - 【カンボジアの人びとの素顔 その3】環境教育スタッフ:テロアットさん - カンボジア現地通信

【カンボジアの人びとの素顔 その3】
環境教育スタッフ:テロアットさん

カンボジア現地インターン 石山 麻美
2016年6月 9日 更新
たまたまこの日は面接を受けるような恰好をしていたテロアットさん。たまたまこの日は面接を受けるような恰好をしていたテロアットさん。

今回は、環境教育スタッフのテロアットさんを紹介します。さっそく、インタビュースタートです!

石山―テロちゃんは、どんな家庭で育ったの?何人兄弟?

テロアット:7人兄弟で自分は上から4番目。姉・姉・兄・自分・弟・妹・妹っていう順番。私は今30歳だけど、一番上のお姉ちゃんが40歳くらいで、一番下の妹が23歳かな。出身はポーサット州。お母さんは家事や農業をしていたよ。お父さんはポーサット州の宗務局で働いていたんだけど、私がJVCに入って3ヶ月経った頃に病気で亡くなったんだ。

―勉強は好きだったの?

:高校3年生の最後の試験を、成績Eで卒業したの。高校卒業試験の成績は、A~Eが合格で、Fが不合格だから、私はあんまり勉強ができなかった(笑)だけど、他の人はカンニングしたりコピーした紙を持ち込んだりしていたけど、私は自分の力でちゃんと受けた結果だから!そのあと、ポーサット州にある大学に進んだの。州内には大学が2つしかなくて、私立のみ。学部も、英語・会計・マネジメント・ITの4種類しか選択肢はなかった。優秀な人やお金を持っている人はプノンペンの大学に行くことが多いけど、プノンペンに行くにはお金がかかるから、私は自分の家計のことを考えてポーサット州にある大学に進んだの。

―大学では何を学んだの?

:1年生の頃は会計を学んだの。30人くらいのクラスの中で成績1位を取って、会計の分厚い本をプレゼントでもらったの。これが今でも私にとって本当に良い思い出!1年生の終わりの方には、Sustainable Villageという団体で3ヶ月間、英語を教えるボランティアをしたよ。

2年生になるころ、ボランティアを始めたこともあって勉強についていけなくなったの。会計の分野は、しっかりと勉強しないと難しくて。だから、マネジメントの専攻に移ったの。2年生からは、外国語学校で6ヶ月間、小学生に英語を教えて、このときからお給料をもらい始めて、自分で学費を払うようになったの。学費は1年生のときが220$、2年生が260$・・・って少しずつ高くなっていたの。はっきりとはわからないけど、今の時代は1年生のときから300~400$くらいするんじゃないかな。

2年生の後半からはSustainable Cambodiaという団体で英語を教えるようになったの。この団体は、私が1年生のときにボランティアしていた団体の親のような団体で、農業と教育の2分野で活動してた。教室を持っていて、1年生~12年生(つまり、小学1年生~高校3年生)が学びに来るの。教科は、カンボジア語・英語・算数・コンピューターの4つで、お金は取らないの。そして、12年生(高校3年生)には大学に行く奨学金をサポートしてたわ。この団体の目的は、学生が職を得られるようにサポートして、彼ら自身が次世代を支えていく人材となるように促すことだったから。ここの団体では大学3年から卒業後まで計4年間働いたの。

―大学卒業後もそこで働いていたんだね!そのあとはどこで仕事をしたの?

:そのあと、JVCに入ったよ。

―大学では会計やマネジメントを学んで、英語を教える仕事をずっとしてきたのに、どうしてJVCで働こうと思ったの?

:そうだよね、良い質問だね(笑)それにはいくつか理由があって。まず、今まで英語を教えてきたから、英語が話せるってこと。だから日本のNGOでも大丈夫だと思った。あとは、マネジメントと教育は関連していると思ったから。自分の管理や子どもの管理というように、教育の現場でも活かせると思った。他にも、経験を積みたい、自分の能力をアップさせたい、家を出て1人暮らしをして自立したいっていうことも理由としてあったわ。前までは実家に住んでいて、困ったらお姉ちゃんが全部助けてくれてたから、自分で生活できるようになりたかったの。JVCで働いてもう4年2ヶ月(5月末時点)経つけど、また新しい計画が始まるし、頑張っていきたいと思っているよ。

小学校でペットボトルの再利用について教えています!小学校でペットボトルの再利用について教えています!

―そして、JVCで出会った方と結婚したんだよね!2014年の植林祭のときに作ったTシャツで、裏面にたくさん書かれているハートは、今の旦那さんへの愛を表しているって聞いたことあるんだけど、本当?

:ハートの意味は違うよ(笑) あれは、自然を愛するって意味!!!今の旦那さんとはJVCで出会ったの。彼は元TRC(資料情報センター)のインターンであり、元環境教育スタッフでもあるの。やたら一生懸命話しかけてくるし、冗談ばかり言ってくるし、最初は不思議に思っていたんだけど、途中で、「あ、そういうことなんだ」って気づいた。それで結婚に至ったの。

―素敵だねぇ。日本にも来たことがあるけど、どうだった?

年次会議で行ったカンポットで歩いていたら、買ったばかりの靴の底が丸ごと取れるハプニング。年次会議で行ったカンポットで歩いていたら、買ったばかりの靴の底が丸ごと取れるハプニング。

:経済とライフスタイルの関係の違いがおもしろかったよ。先進国の日本は、人が多くて歩くのが速くて、もし仕事がなかったら暇になってつまらないんだろうなって思った。でも健康に良い衛生環境があると思ったよ。一方、発展途上国のカンボジアは、家族と過ごす時間が多くて心にゆとりがある。でもあんまり衛生環境は良くないよね。お互いの良い点を教え合えたらいいなって思ったよ。あとは、文化や食べ物も興味深かったし、JVC東京のオフィスに行けたことも勉強になった。働いているスタッフ、座席の配置や仕事の仕方、どんなオフィスでどこにあるのかということとか全然知らなかったから、見れて良かった。こっちでの仕事ももっと楽しくしていきたいなって思った。

―最後に、JVCで働いていて、どんなときが一番楽しい?

:子どもと一緒にいるときかな。ただ教えるだけじゃなくて、仲良くなって一緒に遊んだりしているときは、疲れとかストレスとか忘れられる!あとは、一つのことをみんなで一緒にするときが楽しい!

私から見たテロアットさん

テロアットさんは、落ち着いた雰囲気を持っていて、みんなでの話し合いの場では率先してリーダーシップをとっています。また、カンボジア人はみんなで行動するのが好きな傾向があるなか、彼女は一人でも行動できる人です。週末、オフィスに残るのが一人のことも多いようですが、「もう4年もすれば慣れた」と言っていました。また、とても面倒見が良いので、日頃わからないことやカンボジア語のことは、私は彼女に質問することが多いです。私の誕生日には、Facebookでなぜか2回もお祝いメッセージをくれる(本人は気づいていない)という天然なところもあります。これからも彼女の意外な一面を発見できるように、日々話しかけていきたいと思います。

植林祭のときの一枚。左から、筆者、テロアット、会計担当のソポアン。植林祭のときの一枚。左から、筆者、テロアット、会計担当のソポアン。