\n"; ?> JVC - 乾季の深刻な水不足を乗り越えるため   - カンボジア現地通信

乾季の深刻な水不足を乗り越えるため  

カンボジア現地インターン 石山 麻美
2016年2月26日 更新

こんにちは。カンボジアにも、1月中旬や2月初旬にそれぞれ3日~5日程度、寒波(それでも16度くらい?)がやってきました。日本の気温と比べたらたいしたことはないのかもしれませんが、こちらに住んでいる者にとっては驚異的な寒さに感じました。そのため、ここ最近は体調不良のスタッフが多かったです。私もありったけの持っている防寒具(といってもパーカーが一番暖かい服でしたが...)を着て寒さをしのごうと思いましたが、夜の冷え込みは激しく、風邪をひいてしまいました。カンボジアに来てから4ヶ月強。「ああ、私の身体もカンボジアに慣れたんだなあ。」と今回の寒波に教えられました。

ため池・井戸支援

昨年度にJVCが支援をしたため池。水がきれいで野菜栽培に使用できるため、乾季の今でもこの家のおばあちゃんが様々な野菜を家の裏庭で育てていました。昨年度にJVCが支援をしたため池。水がきれいで野菜栽培に使用できるため、乾季の今でもこの家のおばあちゃんが様々な野菜を家の裏庭で育てていました。

突然寒さがやってきたカンボジアですが、この国には四季がありません。その代わり、雨季と乾季という区別があります。雨季は5月~10月頃、乾季は11月~4月頃となっています。現在JVCの農業事業では、ため池・井戸支援を一つの活動として行っています。ため池または井戸を作ることによって、乾季でも農家の方々が水を確保できるようになり、1年中野菜栽培ができるようになるからです。また、ため池を掘った場合は、盛土によって雨季でも水没しにくい環境で野菜栽培ができるという利点もあります。

乾季に水がない

土壌が流れ込んでしまい、使用できなくなってしまったため池。1枚目の写真と比べて、明らかに色が違うのがわかります。土壌が流れ込んでしまい、使用できなくなってしまったため池。1枚目の写真と比べて、明らかに色が違うのがわかります。

JVCは昨年度もため池・井戸支援を行いましたが、活動を行っているひとつの村では特に土の状態が良くなく土壌が流れ込んでしまっており、農家の方々の飲み水としても、家畜用の飲み水としても、野菜栽培のための水としても使えなくなってしまっていました。だったら井戸を掘るのが良いのか、というとそうでもなく、そこの村では地下水が低いため掘るのが大変だということや、乾季になったら干上がってしまう可能性がある、などの問題もあります。

現状をひとつひとつ見て

ため池・井戸支援を行う際、地質や土地の広さ、個人用にするのかまたは共有にするのか、新しいものを掘るのかそれとも修理をして引き続き使うのか、など考慮しなければいけないことが多くあります。本来は田んぼや畑として使っていた土地をため池や井戸に変えなければいけない、という場合もあります。ため池・井戸を支援したあとに「100%何も問題は起こらない」と言い切ることは誰にもできないので、起こりうるであろうリスクを最小限に減らす努力が必要であり、そのことを農家の方々にもきちんと説明する必要があります。支援対象の1軒1軒、土の状態をはじめ、様々な条件が異なる状況にあるので、それぞれの農家のお宅をきちんと回って現状を確認し、どのような支援ができるのか、地道に考えていく必要のある事業だということを知りました。

さすがカンボジア!?

建設現場に出向き、「JVCのため池・井戸支援を受けてくれる建設者はどこ!?」と乗り込む農業スタッフのソマッチ(左)建設現場に出向き、「JVCのため池・井戸支援を受けてくれる建設者はどこ!?」と乗り込む農業スタッフのソマッチ(左)

ため池・井戸の建設者にそれぞれの土地を見てもらい、建設予定を立てようとしていましたが、約束していた時間に来ないということが2度ほどありました。また、電話をしても繋がりませんでした。そのため、JVC側から現在行われている建設現場まで建設者を呼びに行きましたが、そこにはJVCの注文を受けてくれる予定の建設者は来ていませんでした...。同業者の方が電話をかけてくれても繋がらず、どうしたものかと思っていましたが、のちのち事務所に来てくれて、無事に話し合いを行うことができました。「携帯なくしちゃってさ」と笑っていましたが、真相はわかりません。でも、そのことで非難をすることも、責め立てることもしないJVCスタッフ。そうやっていろいろな失敗を許し合えるのがカンボジアの人間関係でもあり、良い所だと思います。