農業チームの活動のひとつとして、食品加工トレーニングを実施しています。現在は6つの村の女性グループが食品加工に取り組んでいます。2011年にこの活動が始まって以来、現在では40種類ほどの加工品を生産できるようになりました。現在は、昨年12月に実施したバッタンバンへのスタディーツアーで新たに学んだ加工品の生産方法を、少しずつ村の女性グループへと伝えています。
ドンソック村でのトレーニング
ここ一週間ほどは、農業チームは食品加工トレーニングを中心に活動しました。チェーク村、オールー村、トロペアンベーン村に続いて、ドンソック村で行ったトレーニングに私も参加しました。ドンソック村の食品加工グループには7名の女性が参加していますが、家業が忙しかったということもあり、今回は4名の参加となりました。まず、お皿を洗ったり料理に使ったりする水を確保するために家の裏にある井戸へ向かったところ、井戸がとても深く、かつ見た感じとても不安定な足場であったためびっくりしてしまいました。長い木の棒を使ってバケツを降ろし、水をうまくバケツに入れたら引き上げる。これがまたけっこう難しそうでした。私はスタッフが井戸に落ちてしまわないか心配で、ひたすら「気を付けてね。」と繰り返してしまいました。
誰でも簡単にできる加工品
さて、食品加工のトレーニングですが、今回は豚肉のでんぶとトウガンのグラッセ作りのトレーニングを行いました。どちらも使う調味料は醤油と砂糖と塩くらいです。どの家庭にもある調味料を使って簡単にできる食品加工なので、女性グループの方々も実践しやすいと思います。トレーニングは女性メンバーの家で行いましたが、通りかかかった近隣の住民さんから「何してるの?」と尋ねられた女性メンバーが「おいしい料理の作り方を教わっているんだよ~」と嬉しそうに答えているのを見て、何気なく答えたその返事は本心なんだろう、と思い私も嬉しくなりました。
食に時間をかける生活
食品加工トレーニングの何が良いかって、私はおいしい物を食べることももちろん好きなのですが、村の方々が集まって一緒にお喋りして笑いながらゆっくり学んでいる空間がとても素敵だと思いました。今まで何度かカンボジア人のお宅でご飯をいただく機会がありましたが、一日中ご飯の支度をしているんじゃないか、と思うくらい一食一食を丁寧に作る家庭が多いように思います。また、JVCでも家庭菜園のトレーニングを行っていますが、まず野菜や果物を育てることから自分たちで行っている家庭も多くあります。食品加工も、長時間煮詰めたり、何日か天日干したりと時間のかかるものもありますが、そうやって自分たちの食に丁寧に時間をかけるというのも、素敵な時間の使い方だと感じます。