10月10日~12日は、プチュン・バンでした。プチュン・バンとは、日本でいうお盆の時期のことで、カンボジアではお正月(4月)や水祭り(11月)と並んで最も大きなイベントの一つです。先祖の霊を祀って功徳を得ることが大きな目的ですが、家族や親戚が大勢集まって楽しむ良い機会ともなっています。JVCスタッフも皆それぞれの実家へ帰省していきました。
ミニアニバーサリー
まず、プチュン・バンが始まる前の1週間のうちのどこかで、お寺に行くのが普通だそう。JVCは朝7時半から出勤なのですが、私もスタッフと一緒に5時起きでお寺に行ってきました。スタッフのソポアンは、もっと早くに起きて、ご飯を炊き、おかずを作っていたのだとか。ご飯とおかずの他にも、スイカなどをもってお寺に行き、線香をあげ、お坊さんにお経を読んでもらい、自分たちの持ってきたご飯をお皿にあけてお坊さんが食事をする席に置いてきました。
テクニックが必要!
そして、10月10日からの3日間が祝日でした。私は、コンポンクデイに住んでいるスタッフのソマッチの家に3日間行かせてもらいました。1日目にソマッチの家に到着すると、親戚の方々が既に集まっていて、お菓子作りをしていました。私もさっそく混ぜてもらい、お菓子作りを体験しました。お米と豆と豚肉またはバナナの実をバナナの葉で包んだちまき(オンソームチルーク / オンソームチェーク)や、もっちりしたお菓子(ヌムチーエル)を一緒に作りました。力の加減がわからず、バナナの葉を破いてお米をまき散らしてしまったりと失敗もありましたが、何度も教えてもらい、最後には一人でいくつも作れるようになりました!作ったお菓子は、村に住んでいるお年寄りの方に差し上げたり、家で食べたり、お寺にもっていってお坊さんに寄進したりするので、私たちもたくさんの量のお菓子を作りました。
子どもたちが集う
2日目には、ソマッチの娘2人と、いとこの男の子と一緒にお寺に行きました。お寺に行くと、ソマッチのいとこの女の子たちがお寺の前で魚を洗っていました。これからスープを作るのだそうです。ソマッチの娘2人はシャボン玉を買い、吹きながらお寺の中をお散歩。そして、この日は特に何をするわけでもなく、家に戻りました。後から聞いたのですが、2日目は結婚していない青年や子どもたちがお寺に行く日で、3日目が結婚している大人が行く日なのだそうです。だから、この日は子どもたちばかりだったのか、と後から納得しました。
大人のプチュン・バンを見たい!
せっかくだから、大人たちのお寺参りが見たい!と思い、3日目にソマッチがお寺に行く時に私も一緒に連れていってもらいました。この日は、大人だけかと思いきや、子どもも一緒に、家族連れで来るのが普通のようでした。朝からご飯を炊き、おかずを作り、お皿につめて持っていきます。また、私も一緒に作ったバナナの葉で包んだお菓子も持っていきました。お坊さんにお経を読んでもらったあと、持ってきたおかずやお菓子を寄進し、待つこと1時間弱。今度はお米をもってお坊さんにお経を読んでもらい、そのお米を並んでいる壺の中に次々と入れながら、お金を寄付しました。これには大勢の人が殺到し、なかなか列に入ることができないほどでした。持ってきたすべてのものを寄進し終えて、家に帰りました。
仏教国カンボジア
私は仏教徒ではないので、日本でもお寺に行く習慣はなかったのですが、プチュン・バンの時期に合計3回お寺に行ってみて、カンボジアのお寺は日本のお寺と雰囲気が違うように感じました。日本のお寺は厳かなイメージがあるのですが、カンボジアのお寺は建物が金色であったり、出店がたくさん並んでいて風船やおもちゃのピストル、シャボン玉が売っていたりと、とても親しみやすい印象をもちました。カンボジアは上座仏教を国教と定めているため、仏教行事がとても身近なものであり、文化として浸透しているということを感じました。プチュン・バンというお祭りや、農村でのホームステイなど、日本ではできないことをぎゅっと体験できた3日間でした。