明けましておめでとうございます。カンボジアでは新たな年を迎えたことをつゆほども感じさせることなくいつもと変わらぬ日常がそこかしこに溢れています。それもそのはず。カンボジア人にとっての新年は4月のクメール正月、または2月の中国正月(旧正月)です。そのため国際的な新年にあたる1月1日は特別大きなお祝い事はありません。もっとも、外国人が多く集まるシェムリアップなどは別ですが。
さて、JVC活動地のあるコンポンクダイでは新年を迎えた高揚感こそなかったものの、旧オフィスの隣にできた新居にオフィスを移し、気持ちも新たに2015年をスタートさせました!
さて、その年明けの2日前、私たちの農場にはたくさんの高校生が訪れました。「Youth leader training」と題し、活動地の高校生を対象にトレーニングを行いました。これまでも何度かJVCが行うトレーニングを見学させていただきましたが、高校生相手は初めてでした。自分はまだ若いと思っていても自分より若い世代を前にすると自分もさすがに年を取ったのだと思わずにはいられません。
今回のトレーニングの内容は「自然農薬」と「ゴミ管理」のふたつ。事前に行った調査で関心の多かったトピックを選びました。
農薬に関しては、JVC試験農場で農場長を務めるソカーが自然農薬と化学農薬の違いや、どうして自然農薬を使うのかなどについて、ディスカッションを交えながら説明しました。学生たちに自然農薬作りを体験してもらいましたが、これが意外と簡単に作れます。
唐辛子やレモングラスなどの数種類の香りの強い植物を細かくして袋に詰め、それを水に浸してひと月ほど置いておけば完成です。「生徒たちはよく理解していたと思う。学校ですでに環境や化学農薬について学んでいるだけあって知識はある。そこに実践的な活動をプラスすることでより深く理解できる。」とソカーはトレーニング後に満足そうに語ってくれました。
一方、環境教育担当のテロアットは、ゴミが環境に与える影響や分別の重要性を学生たちに伝えました。プレゼンテーションの途中ではさむ予定だった休憩時間を忘れてしまうほどの熱弁。「若い子たちは環境についての関心が高く、学ぶ意欲が強い。」と話すテロアット。彼女の環境に対する強い思いはしっかりと若い子たちに伝わったのではないかと思います。
やはりこの「実践」というのが大きなポイントになるでしょう。参加した学生からも「実際に自然農薬を作るところ過程を体験できて良かった。」という声が聞かれました。話を聴く、資料を読むだけでは不十分で、見たことや聞いたことを自分自身の経験として落とし込むためには実践が必須と言えるでしょう。それだけやってみなければ分からないことが多いということでもあります。
ですから、トレーニングを行うだけで終わるのではなく、そこで学んだことを家庭で実践してもらう。そこで出来る、出来ないというのが出てくるでしょうから、そのために私たちが村を回ってフォローアップをする。そうして経験を経ることで知識を自分のものとし、結果的にそれを周りの人たちに伝えられるようになれば大きなインパクトとなり、知識は広がっていくというわけです。それこそが私たちの目指すところとなります。
こうしたトレーニングは参加してくれた学生のみならず、スタッフにとってもいい学びの機会になるはずです。教えることで知識の定着が期待できますし、予想していなかった質問が参加者から出てくればより深く考えるチャンスになります。なにより自分の知識について自信を深められることの意味は想像以上に大きいのではないでしょうか。
彼らがいつにもまして楽しそうに見えたのは決して私の思い過ごしではないと思います。学生からは「他のトピックについてもトレーニングをやってほしい。」という学生の声にこたえる形で今後も若い世代に、希望のあるトレーニングを行っていければと思います。