行き交う人々は「待ってました!」と言わんばかりの熱気を放っていました。
11月5日から7日にかけての3日間、カンボジアでも最大級のお祭りである水祭りが開催されました。この水祭りですが、2010年に見物客が将棋倒しになり400人近い犠牲者を出すという凄惨な事故が起きてしまったために、この3年間は開催されませんでした。そんな悲劇を乗り越え、今年は3年ぶりに開催されるということでプノンペン市内は異常なまでの盛り上がりを見せました。
水祭りはカンボジアでも非常に古い歴史をもった伝統的なお祭りとされています。雨季から乾季へと季節が移り替わる時期である11月の満月を挟んだ3日間行われ、期間中は、カンボジア各州の予選を勝ち上がってきたチームによる大規模なボートレースがメインで行われます。
これは、首相や国王なども観覧に訪れる一大イベントとなっています。その他にも広場ではライブが行われていたり、川沿いには出店が並び、人々が食べ物や飲み物を買い求めたりとお祭り気分を味わっていました。夜には、満月の下きらびやかな浮舟が川をたゆたい、豪快に花火が打ち上げられるなど、3日間を通してプノンペンはお祭りムード一色に染まっていました。
それにしてもとにかく人が多い。当日は交通規制がなされるなどのしていたのですが、溢れかえる人混みを掻き分けて進むのはとても大変。人混みが苦手の自分にとっては少々苦痛でした。日本でも大きなイベントとなるとまともに歩けないほどの混雑になったりすることがありますよね。こうした光景を見ていると、とにもかくにも人はお祭りが好きなのだなぁとつくづく感じます。
日本ではお祭りとなると周りも気にせずどんちゃん騒ぎを始める輩もいたりしますが、ここではどちらかというと純粋にお祝い事としてのお祭りを心から楽しんでいるという印象を受けました。満面の笑みで楽しそうにしている人を見ていると、こちらまで嬉しい気持ちになります。
しかし、そこら中にゴミが放置される光景は日本もカンボジアもさして変わらないかなという感じですが...。出店で焼きそばを買って、川沿いに座って友達と談笑しながら花火を眺める人々を見ていると、さながら日本の花火大会に来たような感覚になりました。
今回の水祭りを含めて、カンボジアには多くの祝祭日があります。というよりは、祝日が連休になることが多いので、全体的にたくさん休みがあるという印象を受けるのかなと思います。しかも、その連休前後にも休みをとる人たちも多く、ゴールデンウイークが年に3回も4回もあるような感じになります。とは言え、カンボジアの人は、バカンスを楽しむばかりではありません。
例えば、9月の終わりにプチュンバンと呼ばれるお盆休みがあるのですが、国民の90%以上が仏教徒とされるカンボジアの国民は、みなお寺に参拝し、お供え物をするなど、そこではカンボジア人の信仰心の強さを垣間見ることが出来ます。こうした祝祭日からもカンボジアという国がどういう国なのかを知ることができます。
雨季が終わりを告げ、いよいよ乾季がやってくる。そんな季節の移り変わりをド派手に祝う。3年間待ちに待ったこの熱狂をカンボジアの人々は心底楽しみにしていたのだろうということがひしひしと伝わってくる3日間でした。そんな夢のような非日常もあっという間に過ぎ去り、街にはいつもの日常が戻りました。きっと人々は早くも1年後を待ち侘びているのではないかと思います。