SRIを多くの人にまず知ってもらうために、私たちは「ビデオ上映会」という研修を実施しています。
なんてことはない、ただ単にSRIの紹介をしているビデオを流し、私たちの研修を受けてSRIを始めた農家の写真を見せるだけなのですが、広い敷地に大音量でプロジェクターを使って映し出すと大勢の人が集まってくれます。
日が落ち始めてから準備をする夕方暗くなる前に事務所を出て、事前に決めていた人の集まりやすい場所でスクリーンやプロジェクターの準備をします。この日は副村長さんの家の敷地で行いました。
スクリーンと言ってもただの白い布きれを適当な棒にくくりつけるだけの、簡易なスクリーンです。しかし、高さが合わなかったり、張り具合がきれいにいかなかったりと、結構手間がかかります。
夜暗くなるのを待ってビデオを上映しますが、SRIのビデオをいきなりは流しません。まず、みんなに集まってもらうために、カンボジア人が大好きなカラオケのビデオとか、コメディのCDを流します。
人を集めるためのカラオケ映像真っ先に現れるのは、子どもたち。子どもたちが集まり、その子どもに引きつられて大人たちがやってきます。ちょうど夜ご飯の時間と重なってしまうため、辛抱強く1時間くらい待たなければなりません。
1時間くらい待って、7時半を過ぎると大人たちも多くなり、そのタイミングでSRIのビデオを流します。
「コメディやカラオケのビデオを見たいからまっているだけでSRIのビデオなんて流したらみんな帰っちゃうんじゃないか」
と、私は最初心配したこともありましたが、むしろSRIのビデオを流し出してからの方がみんなの顔が真剣になり、食い入るようにビデオを見てくれます。
ビデオを見てもらいながらSRIについて1時間ほど説明して終了します。
終わるといつも大体9時頃で、片付けをし、そこから事務所に帰ると10時頃になります。
また次の日も7時半から仕事でよくうちのスタッフも働くなと思いますが、それなりに充実感があるらしく、不満はあまり言いません。
大勢の人たちが集まってくれるそれよりもむしろ終わった後にタイの「袋ラーメン」を食べられるのが嬉しそうで、その姿を見ると良いスタッフに恵まれているなといつも思います。
SRI (幼苗1本植え/:System of Rice Intensification)とは、イネの栽培技術の一つで、若い苗(10〜15日齢)を1本ずつ直線上に等間隔で植えることが大きな特徴です。
これによりイネ本来の生育力が引き出され増収が期待できるだけではなく、病害虫への抵抗性が強くなり、農薬の利用を抑えることができます。
JVCは農家へこの技術を積極的に伝えています。