\n"; ?> JVC - 私のおうちは文化センター メキシコ滞在記【1】 - 東京事務所スタッフ日記

私のおうちは文化センター メキシコ滞在記【1】

アフガニスタン事業担当 加藤 真希
2017年7月25日 更新

こんにちは。アフガニスタン事業担当の加藤です。現在、メキシコでも首都に次ぐ都市・グアダラハラに住んで早2ヶ月を迎えようとしています。アフガニスタンの治安・情勢が非常に不安定で駐在や出張が叶わないこともあり、現場感覚を少しでも養いたいという思いから、以前住んでいたメキシコにあり、ラテンアメリカで地域開発・オルタナティブ教育分野で実績のある現地の市民団体と連絡を取り、半年間、研修で受け入れてもらうことになりました。

私の研修中は、竹村がアフガン事業を守ってくれています!私の研修中は、竹村がアフガン事業を守ってくれています!

メキシコ国内外で複数のネットワークを構成している団体なので、中南米・カリブ海地域の国々との交流も盛んです。JVCで5年間、アフガニスタンの仲間たちを通じてイスラム文化に触れてから再度ラテンアメリカに来てみると、この地域の新たな魅力にもたくさん気付かされている日々です。活動内容もかなり興味深いのでまた後ほど報告するとして、今日は私が住んでいる不思議なおうちを、少しご紹介。個人的な日記調でお届けします。

現地の友だちの紹介で、日本を経つ前に家の一室を借りることが決まっていた。どういう家なのかはあまり知らされておらず、なぜかトイレの写真が2枚送られてきただけでその他は―例えば、結局街のどこに存在するのか、他の同居人はいるのか、部屋の大きさや家具の有無は、など―ほとんど確認が取れなかった。私自身も準備に時間が足りなかったこともあり、もうここにしよう、予想外の状況でもそれはそれで楽しもう、と覚悟を決めていた。でも、結果的には予想を上回る面白い家だった!

到着した初日。長い旅路と14時間という時差を抱えてよろり・・・とたどり着いてみると、開いたドアからステキな中庭が目に飛び込んできた。メキシコでは家の壁をペンキで思い思いのビビッドカラーで彩るのが陽気で楽しいが(しかもペンキが途中で無くなったと思われる時点から平気で違う色が始まる笑)、このうちは赤茶と白で統一されていて、その中にたくさん散りばめられた鉢植えの緑のアクセントカラーが生きている。

「はじめまして・・・」と家主の女性に挨拶した。あぁ、これからしばらくお世話になる人だ。私の他にも、彼女を含め4人がこの家に住んでいるという。なんだか忙しそうに掃除しているので聞くと、今日からこの家で『ハラーナ』教室が始まるらしい。ハラーナとは、ギターを小さくしたような、ウクレレに似た弦楽器の一種。最近、グアダラハラで流行っているらしい。そうこうしているうちに、ぞくぞくと人々がハラーナを持って家に集まってきた。次から次へとやってきて、もう30人くらい集まっている。「君のハラーナは?ないの?まぁ楽器がなくても参加しなよ!」との無茶振りを交わしながら、今日からの自分の部屋に荷物を置きに入った。とても疲れていて、横になりながら、ジャカジャカとハラーナの演奏をBGMに目を閉じた。私のグアダラハラの一日目は、こうやって始まった。多くの人が出入りしていたので、住んで1週間経っても誰がこの家の住人なのか分からないくらいだった(笑)

ハラーナ教室、盛大に開催!その後3日間続く・・・。フィナーレも夜中までパーティ。ハラーナ教室、盛大に開催!その後3日間続く・・・。フィナーレも夜中までパーティ。

その翌週のある日、2階にある自室にいると今度は、急にリズミカルな太鼓と、大きな弓を弾くような不思議な音が聞こえてきた。上から覗き込むと、ゆらゆらと数人が中庭を鼓舞している。これは、カポエイラ(格闘技と音楽、ダンスの要素が合わさったブラジルの文化)だ。そういえば、家主の女性が、「女性カポエイラグループ」に所属していると言っていた。カポエイラを踊るだけじゃなくて、フェミニズム運動について話し合うグループらしい。

中庭のスパイラルがとても不思議な雰囲気を醸し出している。中庭のスパイラルがとても不思議な雰囲気を醸し出している。

また別のある日、夜に仕事場から家に戻ると、サルサの音楽が流れていて、数人がターンの練習をしていた。サルサはペアで踊るので、奇数だったそのグループにたまたまそこに居合わせ(てしまっ)た私も「一緒に踊って!」と手を引かれ、急遽参加することに。一通り踊り終わったその後で、別れ際に「名前は?」とペアで踊っていた相手から聞かれ答えると、「さようなら、マキ!」と去っていった。

家のキッチンスペースでサルサ教室。(加藤も参加!)家のキッチンスペースでサルサ教室。(加藤も参加!)

そういう調子で、この家では頻繁に様々な楽器やダンスのワークショップ、△△について話す会、○○を作る会、といったイベントが開催されている。何かを広めたい、仲間を増やしたい、と思ったら誰でも気軽に自主的に企画をして、スペースがある友人の家などを借りて、好きなことに情熱を注いでいるように見える。教える側やファシリテータを担う側の人も、そこまでプロフェッショナルでなくても、本当に好きだからやっているんだなぁというのが伝わってくる。参加者同士も、食べ物を持ち寄ったり、誰かがお茶を振る舞いだしたり、ワークショップのあとで物々交換が始まったりと、自然とコミュニティが築かれていく。皆それぞれ、表現豊かで、それを伝える技術に長けていて、羨ましい!

この日記を書いている今だって、あのスパイラルの中庭から太鼓と歌声が響いてくる。今日は、一体何だろう?

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