\n"; ?> JVC - 読めば世の中がちょっと深くわかるかも?「JVC文庫」開設しました。 - 東京事務所スタッフ日記

読めば世の中がちょっと深くわかるかも?「JVC文庫」開設しました。

事務局次長 細野 純也
2017年5月 9日 更新

JVC東京事務所に、このたび「JVC文庫」を開設。

「JVC文庫」開設!「JVC文庫」開設!

皆さんこんにちは。事務局次長の細野です。

この春から、新学期や新しい職場などの新しい環境に身を置くことになった方や、新しいことを始めよう、と思われている方もいらっしゃるかと思います。JVC東京事務所でも、2017年度のインターンたち(今年は5名!)が活動を始めてくれていますし、新しくボランティアとして来られる方もいらっしゃいます。

そうした方々に、「よりJVCの活動を知ってほしいな、ついては、その背景にある様々な構造的な課題についても、あわせて紹介したいな」と思いまして、ついては、世の中には様々に名著が沢山あるからそれらを良質なガイド役として紹介してはどうだろうか、と考えました。

もちろん、「本を一冊読めば世界がわかる」と言うつもりは毛頭ないですが、なぜそもそもJVCのような国際協力NGOが存在するのか、その役目は何なのか、構造的な課題とは何か、などを考えるきっかけとなれば、といった感じですね。

名著とJVC活動地を知るための本を

そうした本をピックアップ/セレクションしてリアルで手に取りやすい空間を作りたいな、と企画しまして、「JVC文庫」としてJVC東京事務所内に設置することにした次第です。まだまだ蔵書(笑)は少ないですが、今後、

  1. 古今東西の国際協力関係での名著
  2. JVCの各事業地を知るための、事業担当おすすめの5冊

を中心に集めていきます。いまのところ、ラジ・パテル『肥満と飢餓』(以下リンクはamazonです)、アマルティア・セン『貧困の克服』、高木徹『戦争広告代理店』、高坂正堯『国際政治』、スティグリッツ『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』、ちょっと古いところで村井吉敬『エビと日本人』、まずは現代史をおさらいするために池上彰『そうだったのか!現代史』などをあげています(このラインナップは、単にいま僕の自宅にあったものだけなので、特に他意はありません。また、「そもそも名著とはなにか」なんて定義に唯一の正解があるわけはないので、僕の独断と偏見で選んでいます)。

『肥満と飢餓 世界フード・ビジネスの不幸のシステム』

そのなかでも『肥満と飢餓』については、以前JVC会報誌で書評を書いたことがありますので、それを掲載しますね。

『肥満と飢餓 世界フード・ビジネスの不幸のシステム』
あらかじめ断っておくが、新著ではない。日本語訳が一昨年秋、 原著は〇七年の発行だ。なぜ今この本を紹介するのかと言えば、発売後気になっていたがその後震災などがあってなかなか手に取れなかったこと、それでも今まで気になり続けていたこと、簡単に古くなる内容ではないこと、がある。個人的にはようやくの紹介となる。
「肥満」と「飢餓」。一見するとまったく逆のありように見えるこのふたつのことが、実は同じ原因によって引き起こされているのではないだろうか、というのがこの本のテーマだ。人間の身体を形作るのは日々の食事(=フード)。著者は世界におけるその「フードシステム」の仕組みに対して、多方面のデータや資料を駆使し、また自ら現場で取材もしながらその問題点を明らかにしていく。
食料生産現場の絶望的な風景、都市と農村の格差、過去数百年をさかのぼっての食料事情の変容(偶然もあれば恣意的なものもある)、表にでてこないアクター、化学による農業への影響(農薬や遺伝子組み換え作物なども)、消費者に対する巧みな販売アプローチ、そしてそれらが相まって構築されてきた、生産者と消費者双方の側に存在する(けれど目には見えない)選択肢の無さ。「こんな世界に生きていたのか...」と、なかば呆然とするかもしれない。
もちろんこの問題は複雑であるが、それらに対する代替案も提示されている。ある意味どれも聞いたことがあるようなものだが、その背景をより理解した上でなら、あらたな希望として受け取れそうだ。新しい視点を得る、という意味では、開発教育教材としてまた広い意味での啓発という意味でも、最近のものでは最高ランクのもののひとつではないだろうか。そして、本書最大のキーワードは「砂時計」。それがなにを意味するのか、ぜひ実際に本書を手にとって確認してほしい。
出てくる事例の多くは海外のものだったり多国籍企業の話だが、そうした企業の製品はもちろん日本の私たちの身近にもあふれている。それに加えて、訳者によって日本における食料事情についても巻末にまとめられているのが心強い。
(JVC会報誌Trial & Error no.293 (2012年2月発行)より)

今後、「各事業を知るための5冊」も随時追加していきます。

皆さんもJVC東京事務所を訪れた際には、ぜひ「JVC文庫」を手にとってご覧ください(貸出はしていませんが)。また、「こんな本もオススメだよ」というレコメンドも大歓迎です!ぜひこの記事のコメント欄やTwitter/Facebookなどで教えてください(蔵書として採用できるかどうかはわかりませんが、個人的には国際法とその実効性に関する本が読みたいです)。よろしくお願いします!

※記事内で言及している書籍につきましては、「JVCとしてその本の内容に公式に賛成している」というわけではありませんのでご了承ください。むしろ、このご時世に自分たちが賛成できる本/情報ばかり読んでいても仕方がないですからね...

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