\n"; ?> JVC - 【パレスチナ・イベント報告】共生への轍 - 東京事務所スタッフ日記

【パレスチナ・イベント報告】共生への轍

2016会計インターン 田中達也
2017年3月24日 更新
モロッコ系ユダヤ移民について説明する井川氏モロッコ系ユダヤ移民について説明する井川氏

2016年度会計インターンの田中です。

3月22日「パレスチナ・イスラエルでアラブ系ユダヤ人が架け橋になれる日まで」と題したイベントが開かれました。
前半部では、ユダヤ教にルーツを持つ井川氏と、イスラエルの入植政策を研究している戸澤氏がプレゼンを行い、後半部では来場者による質問を受けました。

イスラエルには"ミズラヒーム"と呼ばれる人々がおります。 彼らはイスラエル建国後に、東方からやってきた(もしくは元々そこに居住していた)「アラブ系(オリエンタル系)ユダヤ人」です。
また、イスラエルには"アシュケナジーム"と呼ばれる「ヨーロッパ系ユダヤ人」も存在しています。

ミズラヒームとアシュケナジーム―同じ「ユダヤ人」なのですが、その関係はとても対等とは言えません。建国して以来ずっと、「ヨーロッパ系」ユダヤ人であるアシュケナジームがヒエラルキーの上位に君臨し、ミズラヒームやパレスチナ人を抑圧してきました。

たとえば、ミズラヒームの中でも、特にモロッコ系ミズラヒームは都市部から辺境地への移住を強制されました。そこは開発都市(development town)と呼ばれ、政府が住居、就業、教育を提供するものの、そこから移動することは厳しく制限されていました。しかし、開発都市は失業率や社会保障依存率などといった社会経済指標においてイスラエル平均を下回り、その状態が続いているのです。

そのため、都市部にスラムを形成していたミズラヒームはアシュケナジームに比べて賃金が安く良い仕事に就けないといった状況を変えようと、自分たちの権利を要求する大規模なデモを行いました。けれど、イスラエルにとっては国家の安全保障が第一の優先事項だったので現況を変えることなく終焉に向かってしまいました。

イベントではそんなイスラエルの社会経済的な背景について言及したのち、イスラエルが孕む「排除」の本質に迫っていきます。

イスラエルという文脈の中では、排除は土地収奪のような単なる「物理的排除」だけでなく「文化のイスラエル化を強制させられる」という「同化」の一面も併せ持ちます。

元々独自の文化を持っていたミズラヒームですが、ヨーロッパからの移民アシュケナジームによって独自の文化を「後進的」「野蛮なもの」として劣位化・差別されました。さらにミズラヒームの文化はイスラエルが敵対するアラブに親和性をもつものだったからです。そのため、ミズラヒームは独自の文化を否定され、アシュケナジームの文化に同化せざるを得なくなったのです。

このような差別をなくしていくためにプレゼンターの二人が提示したのは、ミズラヒームが持つ可能性でした。アラブの習俗に通じているミズラヒームは、ユダヤ人でありながら同じアラブに源流を持つパレスチナ人とも共通項を持っています。 そんな彼らだからこそ、イスラエルに永らく横たわっている抑圧構造を穿つムーブメントを起こせるものがあるのではないでしょうか。

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