開催が危ぶまれていたEURO2016

皆さんこんにちは。事務局次長の細野です。個人的に、もうかれこれ20年以上サッカー観戦を主な趣味としています(関連記事はこれとかこれとか)。
先日、ヨーロッパ地域における国際大会、「EURO(ユーロ)2016」がフランスで開催されていました。あまり地上波では放送されなかったのでご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、要は「4年に一度、ヨーロッパで一番サッカーが強い国を決める大会」、ということです。
実は今回の大会は、昨年11月にパリで大規模な襲撃事件があったおかげで、治安上の問題から一時期開催が危ぶまれていました。なにせヨーロッパ各国から観客がおしよせますから(公式記録:約240万人)。観戦に行く日本人向けに、日本の外務省の海外安全情報でも事前に注意喚起がなされていました(こちらとこちら)。
実は、サッカーに関心のある人々は、昨年の事件の際に、おそらく一般のかたとは「別の意味」で衝撃を受けていたのでした。複数あった襲撃場所のひとつが、まさに試合中のサッカースタジアムだったからです(当時の様子を描いた記事はこちら(NUMBER Web))。
サッカーは、おそらくこの地球上でもっとも多くの人々に親しまれているスポーツのひとつです。どこにいっても話が通じるネタのひとつ。そのサッカーを「敵にまわす」ことは、「たとえどんな理由や背景があっても、そんなものはとうてい人々の支持は得られんぞ」というロジックです(その面で参考になる記事は、こちらとかこちらとか)。まぁ、こうしたロジックがどこまで一般に通用するかはともかく、こんな記事が書かれるような存在でもある、ということですね。先ほど書いた「別の意味」とは、この事件がこうしたロジックが通用しない相手による事件だった、ということなのです。
そして今回の大会では、10ヵ所あるフランス各地の試合会場ごとにパブリックビューイング会場が設置されており、エッフェル塔の麓にあるシャン・ド・マルス公園もそうで、映像では人の波で埋め尽くされていました(試合時には9万人が集まっていたとか)。入場時にはボディチェックがあったようですが、この映像を見た時に、「...もしここでテロが起こったら目も当てられんな...」と思ったものです。
自分にとっての日常を守るために
大きな事件や自然災害があると、人々の普段の暮らしに様々な制限がかかり、「人が生きる上で必要不可欠とは見られていない」芸術やスポーツなどは真っ先に脇におかれてしまいがちです。2011年の東日本大震災の後も、「自粛」の嵐が吹き荒れて、プロ野球やJリーグなどのプロスポーツを含む多くの興行が中断/中止されたことを覚えている方も多いかと思います。
その時、サッカー観戦好きの自分にとっては「何も考えずに安心してサッカー観戦ができる(ことに象徴されるような)社会環境/状況」こそが、守るべき大切な「日常」のひとつであること、それがどのようにしてつくられているのか、何がそれを奪い去る要因となりうるのか、それを守るために自分にできることがあるのか、を考えたことを、今回改めて思い出しました。大切なひと/もの/ことが何かはもちろん人それぞれですが、それを失いたくないと思うのであれば、それを失う前に、大切な日常を守るために、自分でも日頃からできることを見つけていきたいですね。
ともあれ、今回のEURO2016が無事閉幕したことを嬉しく思います。私たちの目には見えないところで多くの方々がその運営を支えていたことでしょう。みなさんお疲れ様でした! そして、惜しくも決勝戦で負けた開催国フランス、残念! 決勝の相手だったポルトガルのシャツを来た少年になぐさめられるフランス人青年の動画が(少しの笑いと)涙を誘います。
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