\n"; ?> JVC - 安保法制施行 日本が紛争の加害者になる - 東京事務所スタッフ日記
2016年3月29日 【 谷山の眼 ~NGOの視点から

安保法制施行 日本が紛争の加害者になる

JVC代表理事 谷山 博史
2016年3月29日 更新

他国を武力で守る集団的自衛権の行使や、世界中どこでも他国軍支援を可能にする安保法制が29日に施行されました。JVCはこれまで他NGO約70団体と「NGO非戦ネット」を立ち上げ、国際協力に関わる者として強く安保法制に反対してきました。

日本が紛争の加害者になる

「後方支援」をしている米軍の地方復興支援部隊と住民(アフガニスタン)「後方支援」をしている米軍の地方復興支援部隊と住民(アフガニスタン)

世界から平和の希望がまた一つ失われようとしています。日本の自衛隊は戦後70年間一度も他国の人々を傷つけることはありませんでした。しかし、安保法制が運用され、自衛隊により武力行使や、攻撃的な武器の使用が行われれば、我々は紛争の加害者になってしまいます。

安保法制で規定されている自衛隊の活動のありかたは、全てにおいて言葉でどうつくろうとも、自衛隊が戦闘行為に踏み出すことを示しています。現代の戦争は「対テロ戦争」という形態を取ることがほとんどです。「対テロ戦争」は従来の戦争のような、明確な戦闘の前線がなく、戦闘員と非戦闘員が分かれているというものでもありません。住民の中で戦われている戦争です。駆け付け警護で武装勢力を鎮圧したり、他国軍を後方支援したりするということは、紛争の当事者になることです。戦闘に一度参加すれば、住民を巻き込んで被害者を生み出すことになるでしょう。

紛争地の人間は武力で平和を作れないことを知っている

アフガニスタンでは後方支援を名目に多くの外国軍が同国に駐留しました。駐留していた多くの外国軍は戦闘に巻き込まれ、過剰な攻撃をして住民を殺すはめに陥りました。こういう状況をよく知っているアフガニスタンのNGOも日本の安保法制に対して強く反対しています。なぜならば、長い戦争の経験から、武力とは異なる方法でしか平和はつくれない、ということを身を持って知っているからです。

アフガニスタンのNGOにとっても、日本は希望だったと思います。NGO非戦ネットの呼びかけに答えて安保法制に反対する国際共同声明に賛同してくれたアフガニスタン最大のNGO連合組織Afghan NGO's Coordination Bureau(ANCB)は賛同の際に以下のメッセージを寄せてくれました。

「ANCBはメンバー204団体を代表してNGO非戦ネットに賛同し、連帯します。私たちは日本のNGOの積極的な行動を強く支持します。世界中の市民は、平和的な解決方法を取る立場に立つべきです。40年前からの紛争に苦しんでいるアフガニスタンのような状況を招く、武力による方法とは異なる方法をとるべきであると考えます」

日本に求められている役割は他にある

今、世界は軍事力偏重での紛争解決に大きく傾いています。しかし、アフガニスタン・イラクの「対テロ戦争」でその限界が明らかになりました。どんなに強大な武力を用いても、紛争の解決はできず、状況を泥沼化させただけでした。

アフガニスタンやイラクで、平和を達成できなかったのは、日本が「普通の国」として武力を行使しなかったからではありません。逆です。武力によって紛争解決はしない国だからこそ、ほかにとるべき道がありました。それは、中立性を活かした紛争当事者たちの調停であり、中立的な民生支援です。

今、日本が失おうとしているもの認識し、日本だからできることを考えるべきです。

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