\n"; ?> JVC - カンボジアの小さな村に鏡を買いに行った時のはなし - 東京事務所スタッフ日記

カンボジアの小さな村に鏡を買いに行った時のはなし

広報担当 大村 真理子
2015年12月28日 更新

広報担当の大村です。先日、カンボジア出張に行ってきました。主な目的はとある撮影のコーディネートで、撮影前に必要な備品を集めることがミッションのひとつでした。今回紹介したいのは、その備品集め中のエピソードです。

準備のために滞在したのは、アンコールワットで有名なシェムリアップから車で1時間半程度の場所にあるJVCの活動地、コンポンクダイという村。シェムリアップ市街から車で1時間半と、距離としてはそこまで遠くはないのですが、風景は一変。あたり一面、のんびりとした農村風景が広がる田舎です。

村の子どもたちと彼らのおうち村の子どもたちと彼らのおうち
学校帰りの少年たち学校帰りの少年たち

私がこのコンポンクダイで、撮影までに調達しなければいけなかったのは、全身がうつる大きな全身鏡を2枚。都会のシェムリアップにはもちろん売っているけれど、車で1時間半も大きな鏡を運搬するのはちょっと現実的ではありません。コンポンクダイは小さなマーケットが1つだけある小ぢんまりとした村です。そもそも、村人のお宅にお邪魔した時のことを思い出しても、全身鏡があるお宅は、1つも記憶にありません。本当に調達できるだろうか...と不安を覚えつつも、とにかく探すのみ!さっそくマーケットに向かいました。

マーケットには新鮮な野菜がいっぱい並びますマーケットには新鮮な野菜がいっぱい並びます
生活に必要なものは大体マーケットに売っています生活に必要なものは大体マーケットに売っています

頼りになる相棒は、JVCでドライバーを約20年つとめてくれている、リツさんです。「鏡?たぶんどこかに売っていると思うけど...」と一緒にマーケットの中を探してくれました。

いつも優しい笑顔のリツさん。食べているものは...?いつも優しい笑顔のリツさん。食べているものは...?
スイカ×ご飯!カンボジアではポピュラーな食べ方だそうですスイカ×ご飯!カンボジアではポピュラーな食べ方だそうです

あるのはたくさんの部品のようなものだけでしたあるのはたくさんの部品のようなものだけでした

リツさんの名案内(そこら中の村人に聞きまくる手法)のもと、鏡屋さんに到着。小さなマーケットに鏡の専門店があることにちょっと驚きつつも、一安心。さっそく「全身鏡を2枚ください」と伝え、店内に入ります。...ところが、ないのです。店内に入っても、商品らしきものがありません。

不安に思い、もう一度、「全身鏡を2枚買いたいんですが、どこにありますか?」とトライ。かえってきた答えは「うん、分かったよ。今からやれば30分くらいでできるよ」

「!!!!!」

そう、ここは鏡屋さん。なんとすべての注文を、1からつくる鏡屋さんです。その場で外枠を必要な長さに四辺切って、次に鏡面を切って、枠にとりつけて完成させてくれるそう。「鏡=買う、じゃなくて鏡=つくる」。当たり前だけど、当たり前じゃなかった。日本では完成品を買うことが多いから、このような大事な発想力が失われがちですね。私はこういう、自分の「当たり前」が崩される瞬間が心底好きです。本当に心から、ワクワクする!鏡は「買う」ものって誰が決めたんだろう?自分の狭い考え方にちょっとがっかりしつつも、新しい世界が開けた嬉しさで、大興奮。お店の人やリツさんからは、「鏡が買えるのがそんなに嬉しいのか」と苦笑いをされましたが、その場で作ってもらえるなんて、そんな素敵なことはありません。邪魔にならないようにするから、近くで見て写真を撮ってもいい?と許可を撮り、一部始終を撮影させていただきました。

(1)まずは外枠を用意。たくさんある棒のようなものの中から、良い長さのものを選んでくれます(1)まずは外枠を用意。たくさんある棒のようなものの中から、良い長さのものを選んでくれます
(2)次に、専用のカッターで長さを調整します(2)次に、専用のカッターで長さを調整します
(3)四辺切り出したら、まず外枠の完成です(3)四辺切り出したら、まず外枠の完成です
(4)外枠ができたら、次は鏡面のサイズ計測!(4)外枠ができたら、次は鏡面のサイズ計測!
(5)目にもとまらぬスピードで、カット。鏡面は手動でカットします(5)目にもとまらぬスピードで、カット。鏡面は手動でカットします
(6)カットが終わったら、先ほどつくった外枠に鏡面をはめる作業です(6)カットが終わったら、先ほどつくった外枠に鏡面をはめる作業です

ここまでくれば、完成間近!と思いきや、外枠と鏡面の大きさが全然合わず、外枠を1から切りなおすことに。そのおおざっぱさに、個人的に親近感...(笑)。結局、予定時間は少しオーバーしたものの、見事なオーダーメイドの全身鏡が無事、完成しました!!!

完成!ナイスコンビネーションだったお2人完成!ナイスコンビネーションだったお2人

時間にしてほんの30分の出来事でしたが、私にとっては忘れられない、大切な時間となりました。既製品を買う生活に慣れてしまっていた自分に、なんだかカツを入れてくれたようにも思います。ひとつひとつを丁寧につくって、生活をいろどる暮らし。目の前にあるものの成り立ちが、自然と想像できる暮らし。ひとつ前の加藤の記事(食べるという営みについて考える)にもつながる視点ですが、とても重要なことを再確認させてもらったように思います。どこの国や地域に行っても、現地の方に勉強させてもらってばかり。ああ、早く恩返しができるようになりたいなあ...と思う出張中のヒトコマなのでした。

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