2015年5月9日(土)に横浜市立平楽中学校で国際理解ワークショップの一環として特別授業が行われました。JVCからはアフガニスタン事業担当の加藤とインターンの竹村が参加し、3年生の一クラスを対象に国際理解のための授業を行いました。その様子をお伝えします。
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「はーい、もうしゃべってもいいよ!」の合図で、生徒たちは一斉にしゃべりだしました。文句を言い合ったり、本気で怒ったり、大変な騒ぎで、とても授業中とは思えません。国際理解ワークショップはこうして始まりました。
騒ぎの原因はカードゲームです。ゲームのルールがグループごとに違うことを知らされずにゲームに参加した生徒はとまどいました。自分が知っているルールが通じない世界に放り込まれた時、人はどう感じるのか、それを体験してもらうことがこのゲームの目的です。口でしゃべることは禁じられていたので、身振り手振りと顔の表情だけで自分の意思をつたえなければならなかったのです。違うルールを教えられた生徒も、その生徒を受け入れた生徒たちも同じです。発言禁止の制限が解けたとたんに、思いが爆発したのは当然でした。
仕組みも違えば価値観も違う国に住む人間どうしが、お互いを理解しあうことが、どんなに大変でむずかしいことなのか、それに気づくことから国際理解は始まります。現在の日本では、アフガニスタンという国についての情報があまりにも不足しています。授業では、アフガニスタンの学校や家の写真を生徒に見てもらい、日本とは何が違うのか、何が同じか、いいところや悪いところはどこか、を考えてもらいました。「空が青い、道がきたない、机がない、校庭に座って授業を受けている、帽子をかぶっている、自由な感じ・・・ 」など、いろいろな意見が出てきました。
「じゃあ、どうして外で授業をしなければならないの?どうして校舎がないの?」という質問から、話はアフガニスタンで続いてきた戦争と紛争の被害に進んでいきます。戦争は終わったわけではなく、その影響がこれからも長く続いていくことがわかります。
そして次は、支援の難しさを知ってもらうための問題です。別々の家に住む4人の子どもたちに「公平」に「平等」にお金を配るにはどうしたらいいかという問題です。4人はみな違う環境で暮らしています。一人の子の家はとても貧しく、兄弟もたくさんいます。別の子どもは一人っ子で、家も裕福です。どちらの子どもにも同じ金額を渡すのがいいでしょうか、それとも差をつけるべきでしょうか。男の子と女の子ではどうでしょうか・・・。この問題にもグループごとに違う意見が出てきました。
結果の平等を実現するにはどうすればいいのか、正解はないのかもしれません。国際協力のあり方にも生徒の問題意識が向いてくれれば、授業の意味は大きかったと思います。授業を終える頃には、生徒たちの生き生きした表情があふれていました。
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