3.11から3回目の秋。11月2日~3日に、第3回「福島・三春の収穫祭」が福島県三春町で開催されました。主催はJVCも参加する三春・滝桜花見祭実行委員会と福島「農と食」再生ネット、そして地元の女性グループ三春町芹沢農産加工グループ。約30人が参加し、野菜収穫やベクレルセンターの見学、交流会などを行いました。
到着後、芹沢農産加工グループ代表の会沢さんのお宅に。とれたて野菜の昼食を頂きながら、農家の現状を伺います。三春町では国の基準より5倍厳しい1キロあたり20ベクレルを超えるものは出荷していません。(米は玄米1キロあたり10ベクレル)。「皆に迷惑をかけたくないから、安心して食べて頂けるものしか出荷したくない、そういう気持ちで毎回検査している」と何度も繰りかえす会沢さんの言葉を、もっと多くの人に聞いて欲しい、と強く思いました。
メインイベントである野菜収穫では、白菜、人参、キャベツ、サツマイモなど色とりどりの野菜が大豊作!興奮の収穫を終えた後は宿へ。宿では、三春町長と収穫祭参加者、地元農家との交流会が開催されました。三春町が抱えている風評被害の問題を中心に皆で話します。安心できるものを消費者に提供したいと思う生産者の気持ちと、伝わりきらない現状。「目に見えないのが悔しい。色がついたり、音が出たりしたら良いのに」という会沢さんの言葉が非常に印象的でした。ご自身も畑をやっている町長の「ここまで来たら後はもう何年かかるか分からないけど粘り強くやるしかない」という力強い言葉に、大きく頷く会場。なぜか自分が励まされる始末。皆さん本当に強くてあたたかい。どっしり構えて動かない。まるで三春名物の大木、滝桜のような人達だな、なんて事を思いながら話に聞き入り、気がついたら日が暮れていました。夕食後も皆で車座になって今後の話を。夜遅くまで地酒「三春駒」を片手に熱いトークが交わされました。
翌日は朝からベクレルセンター、米の全量全袋検査場、野菜検査場の見学に。その後はJAたむら、ハム工房都路訪問を経て、最後に避難解除準備地区、田村市都路区の地元農家松本さんのお宅に向かいます。除染土が目の前にある中での生活。車は行き交うものの、人影は見当たりません。学校が閉鎖し、親世代は近隣へ避難。人口の減少が著しいこの地域。早くここに皆が戻って来れたらいいのに、と思う反面、目の前の除染土の山を見るとまだまだ問題の解決には時間がかかるな、と思わざるを得ませんでした。
今回、自分の目で現実をしっかりと見たいと思い参加したこの収穫祭。私は三春町が大好きになりました。「安全なものしか出荷しない」と断言する生産者に、目の前で見たベクレル検査機や米の全袋検査の様子。穏やかな景色との対比。全てが強烈に頭に残り、忘れる事ができません。また三春町に行きたいし、魅力を沢山の人に知って欲しい。私にできるのはまず、町の魅力を伝えること。明るく受け入れてもてなしてくれた皆さんを思い出すと、くよくよ考えていても仕方がない。元気でいよう、そう思いました。
最後に、この記事を読んで下さっている皆さんに三春町の名前の由来を。春になると「桃」「梅」「桜」が一気に咲くから、三春町。なんて素敵な地名なんでしょう。想像するだけで穏やかな気持ちになります。春には名物の滝桜花見ツアーが毎年開催されています。友人知人を沢山誘って行こう。冬が苦手な私が、いつも以上に春が待ち遠しくなりました。
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