「イラク戦争10年」キャンペーン(イラクテン)
この3月でイラク戦争開戦より10年が過ぎました。JVCは他のNGOや市民団体と協力し、「イラク戦争10年」キャンペーン(イラクテン)の実行委員会に参加しています。
イラク戦争開戦日の3月20日に実施したメインイベントを中心として、イラク戦争から10年を振り返るとともに、この戦争を過去のこととするのではなく、日本の今後の針路を考える上でも教訓を汲み取ろうという趣旨でキャンペーンを行いました。
INSANスタッフを迎えてJVCが主催した2回のイベントもキャンペーン賛同イベントに位置づけています。
イラクテン・メインイベント
「開戦から10年 今、問う イラク戦争の10年と日本」
(3月20日、早稲田大学14号館を会場に終日開催。写真展や非戦を選ぶ演劇人の会によるリーディングも同時開催)
1.全体会(午前)
「イラクテン」実行委員会から共同代表の志葉玲氏が基調報告を行い、大義のないイラク戦争の問題と、米国、英国、オランダ等の各国で検証の動きがありながら、日本での検証の動きが不十分な現状が報告されました。
次にゲストとしてイラクからジャーナリストのアリ・マシュハダーニさんが登壇し、イラク戦争後とその後の占領下での米軍による行為が戦争犯罪に当たると批判した上で、それを報道しようとするジャーナリストが弾圧されている実情を語りました。米国とともにイラク攻撃を行った英国からは、イラクで死亡したイギリス兵の母でブレア政権の責任を追及するローズ・ジェントルさんが発言し、大義のない戦争で息子を失った悲しみを語り、戦争責任を問う検証の意義を強調されました。日本からは戦後日米関係に関する著作がベストセラーとなっている元外務省国際情報局長の孫崎享さんが発言し、日米関係重視の政治的、外交的な背景の中で日本政府がイラク戦争を支持したこと、しかもこの構図に今も変わりがなく、今後も戦争に参加しないためにもイラク戦争の検証が必要であることが語られました。
2.分科会とまとめの会(午後)
午後には以下の4つのテーマ別の分科会で議論を深めました。
分科会のテーマ:
- イラク戦争と劣化ウラン
- ローズさんと語るイラク戦争検証
- アリさんと語るイラク占領の現実
- イラク戦争と自衛隊・在日米軍
JVCはイベント全体の実行委員会に関わるほか、第3分科会(アリさんと語るイラク占領の現実)を主催しました。第3分科会では、戦争後、米軍によりイラクの歴史的遺物が破壊され、奪われた例の紹介からはじまり、米軍の占領により被害を受けたイラクの人々の苦難が語られました。アリさん自身が何度も米軍やイラク警察に拘束された経験を持ち、報道の自由に対する圧力の具体例として紹介されました。
最終のまとめでは、市民の務めとしてイラク戦争を忘れないこと、今後も大義のない戦争を支持するような過ちを政府が繰り返さないためにも検証が必要なことを確認した上で、政府に検証を求めていくことを参加者一同で確認し、「早稲田宣言」を採択しました。
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