JVCに関わる様々な人にインタビューをするこのコーナー!今回は、東京事務所インターンのひとりである、政策提言インターンの阿部早織さんにお話を伺いました。
大学院でアフガニスタンの研究をしながら、政策提言インターンとして活動する阿部さん。東京事務所インターンのお仕事も、担当によって様々。政策提言って具体的にどんな仕事をしているの?国際協力に興味を持ったきっかけは?と様々なお話を伺いました。
政策提言インターンってどんなお仕事?
高橋「こんにちは。いつも同じインターンとして毎週顔を合わせている阿部さんですが、お仕事の話ってあまり詳しく聞いたことありませんでしたよね、今日は調査研究インターンとしてのお仕事について詳しく聞いてみようと思います。よろしくお願いします。」
阿部さん「よろしくお願いします!」
高橋「まず、政策提言インターンってどんな仕事をしているのだろう、ということで通常業務から教えてくれますか?」
阿部さん「調査研究の仕事ってとっても忙しい時とそうで枚と気の差が激しくて、特に年三回行われるODA政策協議会の前後は大忙しなの。」
高橋「へえ、波があるんですね。ODA政策協議会とはなんですか?」
阿部さん「初めての方にはわかりづらいですよね!ODA政策協議会では、外務省とNGO側で、ODAの使い方を一緒に考えていこう、という会議なの。」
高橋「なるほど...政策を市民と考える重要な会議なのですね。阿部さんは、具体的にはどのような仕事をしているのですか?」
阿部さん「ODA政策協議会のNGO側の5人のコーディネーターの日程調整をしたり、共にスカイプ会議で議題を話し合ったり、その時の議事録を取ったり、報告書を作成したり...本当に雑務。(笑)また、メールマガジンを作成して、協議会の広報もしたりするんです。」
高橋「ODA政策協議会を管理し、作り上げているのですか!すごい。インターンでこんなに責任ある仕事をまかされるてすごいことですね。こういった責任ある仕事の中で、気をつけていることって何ですか?」
阿部さん「言葉使いと...わかりやすくまとめることかな。」
高橋「最初、失敗なんかはありませんでしたか?」
阿部さん「いっぱいありました...(笑)、名刺をもらい忘れてしまったり、だれに連絡すればいいのかわからなくなってしまったり...人を違えてしまったり(笑)もう覚えられましたけれど最初はごっちゃになってしまって。」
積み上げていくODA政策協議会
高橋「ODA政策協議会の議事録も阿部さんが作成しているのですか?」
阿部さん「そうなの。証拠になるんですね。会議は一度の会議で議題が解決するものではなく、積み上げていくものなので、議事録がとても重要になっていくんです。」
高橋「そのODA政策協議会の決定や会議の内容がどの程度、政府のODAや政策に反映されていくものなんですか。」
阿部さん「この会議は短期的に見てすぐに政策に反映されるというものでは、ないんだ。ODA政策協議会というのは、2000年のミレニアム開発目標(MDGs)の採択後、ODAの使い方として、市民側の声も聞いていこうという動きから始まったものなので。
ODA政策会議の内容は、すべて議事録で記録され、公開されるんです。だから、誰が...たとえば外務省側が、何を言ったなどという証拠になるんです。会議を積み上げていくなかでとても重要な役割をするんです。」
高橋「なるほど。これを達成すると約束したのに、実行してなかった場合、証拠になりますね。」
阿部さん「このあいだのミャンマーの時は、NGO側の意見が慎重派なのに対し、外務省側は強硬姿勢を取り、なかなか合意ができないときがあって、それはお互いの立場を見るのに、とても重要な役割を持ったの。」
高橋「なるほど。そんな政府側の姿勢が見れる事例も!こういった外務省の立場を知ることができる貴重な機会である会議にインターンとして関われるって、重要ですね。
ODA政策協議会と関わっていかがでした?なんか自身の中に変化はありましたか?」
阿部さん「うーん。ODA政策協議会を通して関わった国やトピックスに関して、"その後を見て行こう"という一種の責任が芽生えたかな。会議で何かしら決定権があるわけではないのだけれど、興味の目が増えて興味や関心を持って最新情報を追っていけるようになりました。」
高橋「自身の学習には?」
阿部さん「大学院の勉強に直接つながるというのは、少し難しいですが、いろんな見方があるという考えを持つことができた。ODA政策協議会を見てNGO側や外務省側といろんな視点があるように、考え方も違ってくるんだな、視野が広くなった。自分はどのような視点で見て行こうかな、と考えるようになりました。ニュースでやっていることを鵜呑みにせず、"本当は違うんじゃないか"と思ったり。」
高橋「今後どのように関わっていこうと考えていますか?」
阿部さん「NGOと外務省のパイプをつなげていくこの仕事を全うしたいいです。また、ODAへの関心が減っていくなかで、いろんな意見を反映させて、発展的で建設的な議論ができるように、会議へ色々な人がアクセスができるようにしていきたい、と考えています。」
国際協力に興味をもつきっかけ
高橋「JVCのインターンに応募していかがでしたか?」
阿部さん「私は、いろんな偶然が重なって、インターンになれたので。基礎知識もないところから、会議に参加してもわからないことが多く戸惑いました..。しかし最初はビジネスライクな事務作業をしっかりこなすところから始め、自分の大学院での勉強にもなるかな、と知識も蓄えながら仕事をしていきました。」
高橋「大学院で国際協力を勉強をしたいと思った理由は何ですか?」
阿部さん「前職の英語教師や音楽の勉強とは、また違った自分の視野を広げられるような、まったく新しいことに取り組んでみたいと思ったんだ。大学院に通い始めて、インターンとして国際協力に関わっていく中で、様々な人々に会えて、世界を広がっていくことができたんです。」
高橋「最初に国際協力や平和に興味を持った、そのきっかけは何ですか?」
阿部さん「ニューヨークの同時多発テロの時にアメリカに住んでいて、ブッシュ前大統領の対応に疑問を持ったり、アフガニスタン攻撃することに違和感を持った、それがきっかけなのかなって思う。アメリカ側の一方的にしか見れていなかったの。」
高橋「それが最初のきっかけだったのですか。本当にあの事件は多くの人に影響を与えたのですね。それを実際アメリカで体で感じたのですね。」
阿部さん「その疑問にもう一度、深く考えて行こうと思って、大学院の研究テーマにアフガニスタンを選んだのかも知れないとも思います。そこが根本、インターンになったこともそこから来ているのかも知れません。」
高橋「誰にでも、その興味を持つきっかけって深いところにありますよね。阿部さんにとっては世界同時多発テロなのかもしれませんね。本日は、そんな深いお話から、ODA政策協議会に関する専門的なことまで、ありがとうございました!!」
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