NGOの活動の一つに、アドボカシー(政策提言)と呼ばれるものがある。
でもそれって例えばどんなことするの?と思う方も多いだろう。
一口にアドボカシーと言っても、文書で出すこともあれば、実際に行政の
政策担当者や国会議員と協議の場を持つことなど方法は多種多様だ。
その中に、「ロビイング」と呼ばれる行動がある。
先週、ドイツの首都ベルリンで開催されたクラスター爆弾禁止条約に
関する国際会議に参加してきた。(思えば、今でこそこのような政府会合
にNGOが参加するのは当たり前のように見えるが、20年前には考えら
れないことだった)
(写真:クラスター爆弾の破壊に関して、政治的な方針と、技術的な方法について議論が交わされた。)
通常、会議が行われるホールの横にはロビーがある。休憩時間には、そこ
にコーヒーやちょっとしたお茶菓子が用意される。
その時が、我々の出番である。コーヒーカップを片手に、会議に参加して
いる自国の代表団と接触し、自国の政策についての方針を聞いたり、逆に
NGOの立場から意見を言ったりする。役所とは違う(相手のホームグラ
ウンドではなく)、ロビーというくだけた場でお茶を飲みながらざっくば
らんに会話をかわしながら、探りを入れたり、アイデアを吹き込んだりす
る。これが"ロビイング"である。
(写真:昨年日本でも大活躍したカペタノビッチさん。この会議でも被害者を代表してスピーチをした。左はJVC清水)
特に国際会議の場では、様々な国の代表団やNGOが来ているので、自分
の国の方針が相対的にどうなのかを、直ぐその場で確認できるのが利点だ。
また、他の国のNGOと協力して互いに「外圧」を掛け合うこともできる。
今回は、日本が保有するクラスター爆弾について、その数や破壊計画につ
いて現時点での方針を聞き、こちらからは、その作業を早く進めることを
吹き込むのが私のミッションだった。
会議中にわかったのは、日本としては条約が発効するまではそのつもりが
ないという残念な姿勢だった。すでに多くの国が発効前から破壊作業を始
めているというのに。
(写真:アフガニスタンの17歳の青年、スラジくん。クラスター爆弾で両足を失った彼も、精力的に保有兵器の破壊を呼びかけた。)
ベルリンでは、情報公開や破壊計画の早期策定の確約を得ることができなか
ったが、帰国後直ちに、国会の外務委員会で質問に立つ議員にこの会議の様
子を伝え、7月1日の一般質問で保有数の公開と破壊計画の策定について質
問してもらった。
防衛省の答えは「条約の趣旨にのっとりまして、適宜適切に情報の公開に努
めてまいる所存です」...。
相変わらずピリッとしない回答だ。
さて、次はどんな手でいくか!?
会議の後、10時まで日が沈まない明るい夜を散歩。
今年はこのベルリンからお一人ソリストを迎えます!
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