\n"; ?> JVC - 映画『シリアの花嫁』を試写会で観ました - 東京事務所スタッフ日記

映画『シリアの花嫁』を試写会で観ました

会報誌レイアウト・総務担当 細野 純也
2009年1月13日 更新

今日、配給会社の方の招待で、映画『シリアの花嫁』の試写を観てきました。

イスラエル占領下にあるゴラン高原に住むシリア人は、一度シリア側に出れば、両国の政治的背景から二度と戻れないそうです。この映画は、ゴラン高原に住む女性が家族と別れて花嫁としてシリア側に渡る一日を描いたものです(このような結婚は実際に年数例あるそうです)。

main_SB.jpg

「境界は人を断絶させる。その境界を超えられるかどうか」を問うている映画だと思いました。

この映画の中ではさまざまな境界が見えてきます。


  • 民族や宗教上のしきたりに重きを置いて生きる父と、そこから外れた息子。

  • メンツを気にする夫と、それをよしとしない妻。

  • 軍事境界線を挟んで向かい合うイスラエル兵とシリア兵。

  • 逆に、その境界線をはさんでシリア人同士が拡声器でやり取りする「叫びの丘」。

  • そして、行き来できないことから直接会ったこともない男と結婚するために、その軍事境界線を超えていこうとする花嫁。


映画の後半ほとんどを、この境界線のゲート付近での花嫁がシリア側に出られるかどうかに費やしているのも象徴的なようにも思えます。

境界の向こう側の相手を受け入れないなら、仲介者を通してしか対話できない。境界線を挟むイスラエル行政とシリア兵とがその典型として描かれています。脚本がパレスチナ人だからかどうかはわかりませんが、総じて、このように境界にこだわり続ける男たちと、それを自ら超えていこうとする女たち、という印象を受けました。境界自体よりも家族や自分が幸せに暮らしていけることを優先する彼女らは、周りの男たちに「あなたたちはどうなんだ」と問いかけて(というより詰め寄って?)いるようでした。

ただ、個人的には、境界やしきたりにこだわりつつも、それゆえに久しぶりに帰ってきた息子と素直に対面できない父親がいい味出していたと思います。(なにせオヤジフェチなので...。好きな俳優はロバート・デ・ニーロとモーガン・フリーマン)

このイスラエルとシリアの境界のようなものを引き合いに出すまでもなく、私たちは普段から大小さまざまな境界の中で生きています。境界からこっちの自分の側だけで生きていくのは楽です。でもそれを超えていくことで、新しい人と会えて新しいものが見えてくる。それを受け入れていく勇気を持つべきではないか、というメッセージだと受け取りました。

今現在、さまざまな境界でがんじがらめになっている人たちにこそ見てほしい映画だと思います。今後、2月21日から神保町の岩波ホールでロードショーとなります。ぜひお楽しみに。


(いただいた試写状は可能な限り観に行く総務担当 細野)

この活動への寄付を受け付けています!

月500円からのマンスリー募金で支援する

今、日本全国で約2,000人の方がマンスリー募金でご協力くださっています。月500円からの支援に、ぜひご参加ください。

郵便局から募金する

郵便局に備え付けの振込用紙をご利用ください。

口座番号: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所

※振込用紙の通信欄に、支援したい活動名や国名をお書きください(「カンボジアの支援」など)。
※手数料のご負担をお願いしております。

JVCは認定NPO法人です。ご寄付により控除を受けられます(1万円の募金で3,200円が還付されます)。所得税控除に加え、東京・神奈川の方は住民税の控除も。詳しくはこちらをご覧ください。

遺産/遺贈寄付も受け付けています。詳しくはこちらのページをご覧ください。