JVCは、鹿折地区に建設される集合型災害公営住宅の入居予定者間の顔合わせと交流を目的として、今年6月より交流イベント「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を開始しました。
災害公営住宅におけるコミュニティ形成に向けた取り組みを実施するにあたり、他地域の災害公営住宅における入居者の状況や支援団体の取り組みなどを学ぶため、8月26日、宮城県東松島市内に建設された集合型災害公営住宅「市営小松南住宅」を見学しました。今回の見学は、「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を協同で実施している地元支援団体など4団体と合同で行いました。
見学の際は、「市営小松南住宅」の自治会長と東松島市社会福祉協議会のスタッフの方々に案内して頂きました。自治会長からは「全156戸のうち、約四分の一が一人暮らしの高齢世帯」、「仮設住宅との一番の違いは『広い・静か』ということ。隣の部屋の音は一切聞こえず、それが逆に寂しいと話す住民もいる」といった入居者に関する説明を受けました。
入居にあたり、様々な地域から面識のない人々が集まりましたが、支援団体などによる入居前の交流会は行われず、入居者同士が入居前に顔を合わせる機会は入居開始の約二週間前に行われた入居説明会のみとのことです。入居後については、支援団体による交流会が毎月開催されており、参加人数は15名程とのことです。また、自治会長以外の役員は決まっておらず、自治会長が複数の役を担っているとのことでした。
コミュニティ形成に向けた入居後の取り組みは重要となりますが、今回の見学を通して、入居後のコミュニティ形成が円滑に行われるための入居前の顔合わせと交流の機会の重要性を改めて感じました。また、入居者の見守りを行っていく上で重要となる自治組織の形成に向けたサポートの必要性も感じました。
9月25日、10月30日、第3、4回目となる「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を鹿折中学校仮設住宅の集会場にて開催しました。9月のイベントでは「お料理会」を行いました。参加者の方々は、互いに協力しながら食材を切るなど、調理を通して交流する様子がみられました。参加者の間では、「わたしの家ではこうやって作る」、「料理が上手ですね」といった声が聞かれました。
10月のイベントでは、「震災支援京都ネット」の方々にご協力頂き、落語やマジックショー、法話を行いました。落語が行われた際、会場は終始笑いで溢れていました。また、焼きたてのたこ焼きが振る舞われ、参加者の方々はたこ焼きを食べながら世間話で盛り上がっていました。
鹿折地区に建設される集合型災害公営住宅において、入居後のコミュニティ形成が円滑に行われるよう、JVCは今後も「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を継続的に実施し、より多くの入居予定者の顔合わせと交流を図っていきます。