10月13日、第1回「鹿折いきいきクラブ」を開催しました。このイベントは鹿折地区全8か所の仮設住宅生活者を対象に、ニュースポーツ(※)を通じて住民同士の交流を図り、仮設住宅退去後にもスムーズなご近所づきあいが図られるようになることを目的としています。現在、支援団体の間では「ポスト仮設住宅」と呼ばれる、数年後に仮設住宅を退去した後にできる新たなコミュニティを見据えた課題への対応が関心を集めています。
例えば、現在、気仙沼市では28地区に災害公営住宅の建設が計画されており、平成27年から28年が入居予定となっています。仮設住宅を退去し災害公営住宅へと移り住む人々は、「仮の暮らし」からようやく抜け出して新しい生活を始めることになりますが、同時に面識のない人々が共に暮らすことになり、住民同士で馴染みがないあまり孤立を深めることが懸念されます。JVCはそのような退去後のコミュニティの状況を見据えて、「将来のご近所さん」となり得る人々が事前に顔合わせをできるよう、この「鹿折いきいきクラブ」を始めました。
第1回目は、住民の間で比較的馴染みのある「ペタンク」という種目を行ないました。
当日は仮設住宅全8か所のうち5か所の住民の他、近隣住民も合わせて10名の方が参加され、初対面の方同士でもチームを組んで和気あいあいと楽しまれていました。また、ペタンクの経験者が他の参加者に教えている様子もあり、親しみやすく誰でも取り組みやすいニュースポーツならではの交流もみられました。
今回のような新しい「交流の場づくり」を企画するにあたり、住民にとって親しみやすく記憶に残りやすいイベント名にしようと考え、住民の意見も取り入れながら"鹿折いきいきクラブ"としました。また、開催場所についても、仮設住宅8か所の住民が参加しやすいよう、どこの仮設住宅からも同じくらいの距離にある中学校のグラウンドを使用することにしました。
第1回目を実施してみて、いくつかの課題も残されています。住民の方の話では、「集会場だとすぐそこだから気軽に参加できるけど、離れた場所だと参加しづらい」、「参加してみてもいいけど、あそこまで歩いて行くのがちょっと大変」という声が聞かれました。こうした「参加しづらさ」については少しでも解消できるよう、今後も工夫が必要だと考えています。
震災から2年8か月以上が経過した現在、仮設住宅生活者の「いま」を見守りつつ、近い将来、災害公営住宅に入居した後もそこで暮らす人々が共に支えあい、いきいきとした日々を送れるよう、JVC気仙沼は「ポスト仮設住宅」も見据えながら活動していきます。
※ニュースポーツ...勝敗にこだわらず、簡単なルールで老若男女問わず誰でも楽しむことのできるスポーツ。