現在、JVCが活動している鹿折(ししおり)の四ヶ浜(しかはま)では、ワカメの収穫時期を迎えています。このワカメの収穫に合わせて、先日、浮きのマーキング作業(2011年11月21日)を一緒に行った小々汐(こごしお)の養殖組合長さんから、ワカメの切り分け作業の依頼を受けました。切り分け作業は、土日に関係なく毎日(悪天候の日を除く)、早朝から約2~3時間行われ、3月末頃まで続きます。
午前7時、作業場となる小々汐の漁港に向かいます。漁港にはすでに、2~3名の養殖業者さん達が作業の準備に取り掛っています。朝日に照らされた海には、たくさんの浮きが並んでおり、所々にボートが浮かんでいます。
刈り取られたワカメを積んだボートが海から戻ってくると、切り分け作業の開始です。まずひもで束ねられたたくさんのワカメを、陸に引き揚げます。次にこのワカメを、葉、茎、そしてメカブに切り分けていきます。切り分ける作業は、それぞれの部位で担当を分けて、流れ作業で行っていきます。私達は主に、メカブと茎を切り分ける担当です。ワカメを切り分け終えると、再びワカメがボートで運ばれてくるのを待ちます。この刈り取りと切り分けの作業を、二、三度繰り返します。
ワカメを全て切り分け終えると、次は出荷です。漁港には、この出荷の時間に合わせて、他の養殖業者さん達も集まってきます。出荷は、漁業協同組合の方の立ち会いの下、養殖業者さんと加工業者さんとの間で行われます。
まず、養殖業者さんと加工業者さんとの間では、「いい葉っぱの色だろう」「この部分をもっと切り落としてくれ」など、様々なやりとりが行われます。続いて、収穫されたワカメがはかりで計量されていきます。組合の方がはかりの目盛を読み、「何キロ!」と威勢の良い声を響かせながら、部位ごとの重量をメモに書きつけていきます。そして、計量されたワカメが次々とトラックの荷台に乗せられていきます。全てのワカメを積み込んだトラックを見送り、作業場の片付けを済ますと、作業終了となります。
かつて小々汐では、約20名の方々がワカメやコンブの養殖に携わっていました。現在、小々汐で実際に養殖を行っている方は、5名にまで減少しています。震災によって作業場や機械を失ったために、以前は同じ場所で行っていた湯通しや塩蔵などの加工も、現在は出来ない状態です。こうした困難な状況下にある養殖業者さん達を少しでも支えようと、JVCは今日もまた、午前7時、小々汐の漁港へと向かいます。