アサポン郡ポンンガム村での研修一日目。
SRI経験交流では男性と女性に分かれて実施しています。ラオスの田舎、特にJVC対象村のような少数民族の村では、女性が知らない男性の前で意見を言ったり、親しく話すことはしない、という文化が根付いており、男性と女性を混ぜてワークショップをすると女性はほとんど発言をしなくなってしまうからです。
一日目は女性を対象にしたSRI経験交流でした。
アサポン郡の4つの村から、SRIを実践したことのある人、ない人、両方を含めた合計20名の参加がポンンガム村に集まりました。家族の中で、どの田んぼにどの品種の米を使い、どんな植え方にするかを決定するのは概して男性の仕事。しかし実際に田植えをするのは女性の仕事です。そのため、良い植え方(移植)とはどういうものか、どのような育て方が良いのか、などをきちんと理解してもらうために開催しています。
色々な村から女性が集まれば日常の生活についてなどぺちゃくちゃとおしゃべりをするのかと思いきや、皆集まるとシーン...。ランチの時もおしゃべりなおばちゃん1人、2人がしゃべっているだけで他の人は黙ったまま。恐らく他の村にはほとんど行ったことがない、という人が多いのでしょう。"交流する"ことに慣れていないのですね。
そんな雰囲気の中の経験交流で大活躍したのが、JVCスタッフのオバンティーンでした。彼女はアサポン郡の対象村であるポンペン村の出身で1年前からJVCで働いています。少数民族の村出身のスタッフは、学歴が高い低地ラオ族の他のスタッフと自分を比べ消極的になることが多く、彼女もまさにそのひとりでした。
しかし1年経って少し自信がついてきたのか、近頃は大きな声で村人にも話し掛け、貴重な女性スタッフとして活躍しています。JVCの対象村はブルー族の村が多く、ブルー語が日常語です。JVCスタッフのラオス語(公用語)を完璧には理解できず、ワークショップについていけない女性もいます。オバンティーンのブルー語での通訳が女性たちを和ませていました。まだ21歳のひよっこスタッフですが、村の女性たちにからかわれながら楽しそうに話している彼女の成長を実感して頼もしく思いました。
男性のように村の会議やワークショップに慣れていない女性たちは、集中力が続かずぼーっとしてしまいます。そのためワークショップには対話の機会を増やし、冗談を入れながら工夫して実施しました。このような"経験"をとおして、女性たちが「知識を身につけ、自分で考えたら、女性だって何かを決定することができる」という自信を持つようになってもらうことが、この経験交流の大きな役割です。