ラオス人は、ある時期までは、歳より幼く見えるのだが、20あたりを過ぎたあたりから、急に老けはじめ、特に女性は、実際の歳より、ずっと齢を重ねているように見えてしまう。
でも、歳不相応という意味で、もっと驚くのは、顔ではなくて、手のほうである。
幼い顔立ちとは対照的に、節くれだち、細かな皺が刻まれた、まるで老婆のごとき手の若者と出会うことがある。彼ら彼女らは、小さな頃から、いろんなことをしてきた。畑作、竹篭作り、木の伐採、罠作り、果物の皮むき、幼い子どもの世話、洗濯、水汲み、などなど。そんな彼ら彼女らの日々の営みが、手に刻印されている。
そして、そんな労苦を刻んだ指先に、色鮮やかなマニキュアがそっと塗られているのをみると、迫力にも似た、美しさを希求する人間の底力が伝わってくる。
そして、ふと自分の手をながめ、相応の齢を重ねてこなかったことを恥じる。