夕食を終えて、ボートレース祭りでにぎわうメコン河沿いを歩いていると、タイ・ナコンパノム側で灯篭流しが行われていた。波間に漂う祈りに満ちた小さな光が、とてもいとおしくて、いつまでも眺めていたくなった。
昔から夜景が好きだった。小さい頃から六甲や神戸港から阪神間の夜景を見ていたし、一時帰国中も、神戸や東京で夜景を見ることができた。若い頃は、ただただきれいな夜景だけを追い求めていた。輝きこそが魅力だった。
でも、じつは最近、こっそり、ビエンチャンやタケークの夜景が見られる場所に出会い、震えるほどの感動で胸がいっぱいになった。タケークやビエンチャンの夜景なんて、神戸の100万ドルの夜景に比べれば、それこそ100万キップほどの寂しい夜景に過ぎない。だけど、それぞれの小さな光、そして、その対極にある闇のなかに、人の喜びや苦悩が込められているようで、昔とはまた少し違った趣を感じる。