そう、わたしは、あなたが帰国するときに、「ラオスなんかに来るんじゃなかった」「ラオスなんて嫌いだ」という思いを本気で抱くのであれば、それはわたしにとって、とても悲しいことです。
もちろん、わたしもラオスが好きかどうかと聞かれれば、頭に血が昇ったり、茫漠としたり、口の中に酸が満ちたこともあったりして、正直、好きだと言い切ることはできません。自分の、足りなくて、至らなくて、醜い部分が露見して、ひどく落ち込むことだってあります。
ただひとつだけ間違いなく言えるのは、ラオスはわたしを育んでくれた大切な場所だということです。学生時代より数年来に及ぶラオスとの関わりは、いい意味でも悪い意味でも、わたしの精神を充溢させ、アイデンティティを形作ってきました。そして、わたしの通ってきた道のりは、蛇行を繰り返してはいますが、今のところ、それほど間違った方向には進んでいないと確信しています。
わたしはラオスに恩義すらあります。だからこそ、あなたが事故のような偶然でラオスに関わってしまったといえども、それを後ろ向きに捉えてほしくないのです。
悩んでいることがあるのなら、わたしも一緒に具体的に悩んでみます。ラオスの限定された一面しか見ていなくて息が詰まっているのであれば、アナザーワールドに連れて行くこともできます。とにかく、あなたがラオスで過ごした時間が、これからの人生の中で、小さくとも力強い光輝となるよう、わたしのできる限りで応援したいとおもいます。