4村でさらに新規活動対象村の視察調査
11月のピン郡での視察調査に続き、アサポン郡の4村で視察調査。2村が中高地ラオ族と言われる人々の村で、残り2村は低地ラオ族の村。150家族以上の大きな村から、70家族足らずの村まで、大きさも雰囲気も様々だった。前回のピン郡同様、JVCの考える適切な対象村の条件が郡農林事務所に理解されているらしく、それぞれに活動の必要を感じさせる村だった。
これまでの対象5村では、距離的に遠い村はあるが、概ね街道沿いに居住区があった。しかし今回の候補村では、街道を外れ、雨季はいったいどうするのかと思うような未舗装の道を経てたどり着く「内陸村」も存在する。そういった村ではこれまであまり支援が入っておらず、以前NGOが来て調査だけして帰った、同じことはしないでくれ、と訴える村もあった。4村とも、総じて対象村として問題ないと思われる。1月より参加型調査を開始し、村人と村の活動について話し合っていく。
村の歴史や基本情報に関する質問に答える村長や長老たちSRI(幼苗一本植え)乾季作講習会
ピン郡農林事務所から、この乾季にSRI(幼苗一本植え)を実施したいと考えている農家のために、研修を行って欲しいという依頼があり、農業チームが出動した。残念ながら現在の我々の対象村には灌漑設備のある村がなく、研修の対象となったのは対象村以外の村だったが、それでももちろんやりがいのある仕事だし、名誉なことでもある。
この講習会には、カムアン県のかつてのJVCの活動村の村人を2名招いた。会場は郡農林事務所ではなく村だったが、郡農林事務所長も参加して開会の辞など述べた。参加者は村人10名程度とDAFO職員数名、SRIの理論、実践上のコツに加え、堆肥、液肥の作り方の講習も行った。ビデオも持参し、またそのビデオに出ている村人その人が説明もするということで、参加者の反応は良かった。今年は灌漑設備の補修があって、同村では75世帯(灌漑にアクセスのある全世帯)がSRIを実施するということで、ここではどよめきが起きた。やはり農民の生の声に力があるのだろう。
堆肥作りのため稲藁を切る参加者たち家畜ワクチン研修/接種
10日を皮切りに、3村で家畜のワクチン接種を行う。もちろん研修とセットとなっており、ワクチンについて正しい知識を確認した後の接種となる。9月より勤務している新スタッフは家畜が専門であり、彼の主導のもと、ワクチンの種類、適切な接種の時期、接種後の家畜の扱いといった事柄を、時にクイズ形式にしたりと、できるだけ村人の参加を促しながら説明した。村の草の根獣医のみならず、多くの村人が参加した。
ワクチンの温度を一定以下に保つため、実際の接種は5時過ぎに起きて6時ごろより9時前まで実施。また、電気のある村では夜間にも行った。家畜の所有者は1本につき2000キップ(約20円)を支払い、そのお金は村の基金に入れられた。家畜のワクチン接種はカムアンプロジェクトも含めて近年では初めての試み。雨季が本格化する前に再度実施する予定だが、今後はワクチンに絞った基金の管理など、持続性により焦点を当てていくことを農業チーム一同確認した。
牛を固定して接種するK村魚保護区開設式
3月より進められ、設置済みのアサポン郡K村の魚保護区だが、アサポン郡の郡知事、郡農林事務所長といった方々にも参列いただき、正式な開設式を11日に行った。式は保護区が一望できる川べりで行われ、JVCから森林担当のグレンが挨拶し、K村の村長が規則を読み上げた後、郡知事のスピーチ、魚の放流、村長の家に戻ってのバーシー(ラオスで節目に行われる儀式、詳しくは「徒然日記」ご参照ください)と食事という順番で進行した。
既に保護区規則は有効となっており、1名の違反者が罰金を支払っているが、やはりこうして来賓も招いての式を行うと、気持ちも新たになる。最貧困層ほど自然資源の採集に頼ることが多いラオスでは、こういった自然資源保護は長い目で見た最貧困層支援になる。スタディツアーなどでK村の村人と知り合い、魚保護区に関心を持った村が他にもある。必要に応じて、今回のノウハウを活かしていきたい。
郡知事、郡農林事務所長、村長、JVCによる放流の様子K村自然資源保護教育
開設式に先立って、K村の学校で自然資源保護教育を行う。小学校中学校合わせて100名以上が参加。この学校は9村から子どもが通っている。歌やゲームそしてポスターや絵をふんだんに使用し、自然資源の大切さを教えるワークショップを行った。K村での魚保護区設置のための話し合いの中で、大人が保護区のルールを守る一方で、子どもたちが持続的でない方法で魚を獲ることがあることがわかった。このため、JVCは魚保護区開設式に合わせて、子どもたちが保護区の規則を遵守し、村の暮らしを守るよう、子どもたちが自然資源(森林資源、水性資源ともに)の大切さについて、またその管理について楽しみながら学べる自然資源管理の研修を用意した。支援者の方からいただいた鉛筆も学校と子どもたちに寄贈した。
絵や写真を多用し、子どもたちの参加を重視したK村小学校で自然資源管理研修
自然資源カレンダー研修
ラオスで活動する他の団体とともに作成した、森林カレンダーが完成した。自然資源の管理や森に対して村人の持つ権利などについて、紹介している。今月から森林チームには法律研修担当スタッフが加入しており、ブルー族のインターンのともに村人に法律の要点を伝えるため選ばれた6つの重要な条項に基づいた研修を企画した。第一回目はP村で行われたが、村人の自然資源管理や法律への関心は非常に高かった。カレンダーは計700部あり、研修のあと各村の全世帯にカレンダーを配布することになっている。
PG村村長にカレンダーを進呈