\n"; ?> JVC - 変わりゆく カムアン県 - ラオスマンスリーレポート

変わりゆく カムアン県

ラオス森林プロジェクト担当 尾崎由嘉
2008年5月 1日 更新

ナムトゥン2ダム建設進む

4月始めから5月半ばまで日本に一時帰国していました。ラオスに戻って約一ヶ月半ぶりに、マハーサイ郡の村を訪問しました。その道中、「こんな道あったっけ?」とびっくりするほど様変わりした景色に遭遇。それは、ナムトゥン2ダム建設が進み、ダムの下流の河川を拡大し、郡の町付近の林が開拓され、平地となった姿でした。

ナムトゥン2ダム建設のための河川工事により、森林エリアだった箇所が更地にナムトゥン2ダム建設のための河川工事により、森林エリアだった箇所が更地に
進む工場建設進む工場建設

ナムトゥン2ダムが完成すれば、タイへの電力輸出が開始する予定です。2009年からの操業を目指して建設が進んでおり、送電の鉄塔がカムアン県内のあちこちに立ち始めています。ラオス国内ではほとんど供給されず、タイに直接電力を送る送電線は、田植えを終えた田んぼの真ん中にも堂々と立ち、電線が村の人達の頭上を通っています。以前、森林を撮る写真家の方から、「森を撮影する難しさのひとつは人工物を入れずに撮ること」という話を聞きました。数ヶ月前のカムアン県は、緑深い山々と田だけで広い空が一望できましたが、人工物の鉄塔と電線の姿が現れ、その風景は一変してしまいました。

カムアン県内のあちこちに建設される鉄塔カムアン県内のあちこちに建設される鉄塔

姿を消していく森

ダム建設に伴い県内ではさまざまな工事が進み、樹木は切り倒され、木材の搬出が続いています。緑濃い森だった場所が更地になり、木材を加工する製材所が新たに建設され、変わりゆく姿はあちこちでみられます。他国ではすでに原木供給不足で工場閉鎖という所がある中で、ここカムアンでは新たに工場が建ち、日々、木材が供給されています。ラオスに残る森の豊かさを物語る一例ですが、長年森と共に生活していた村の人々が、木材の搬出、工場での労働のために村を出ており、変化はラオスの森のみならず、村人の生活にも現れています。

毎日のように搬出されていく材木毎日のように搬出されていく材木

天然の森の資源は限りがあり、森の資源に依存してきた村の人たちの生活もこの変化に対応すべく、変わっていくことでしょう。しかし、木材加工工場の仕事が長続きするわけではなく、ナムトゥン2ダム建設の間のみの好景気。森の木がなくなってしまったら、村の人々は今後どのように生活を成り立たせていくのでしょうか。この数年間で国道が整備され、新たな建物が立ち、カムアン県内の風景はかなり変わったと聞きましたが、今は、ほんの数ヶ月の間にも著しく変化しています。

ナムトゥン2ダム建設に伴い進む河川工事ナムトゥン2ダム建設に伴い進む河川工事

*尚、一時帰国中の5月には、東京にてJVCラオス森林帰国報告会「植林は環境保全・貧困削減に貢献するか?〜インドシナ半島最後の森林フロンティア〜」を開催しました。IGES百村氏、FoEの中澤氏を招き、ラオスにおける植林と土地利用の状況や国際的な森林問題と需要国の関わり、現地における開発事業が及ぼしている影響などを報告しました。JVCではこれまでにも、植林事業の影響でラオスの村で起きていることを事業主である製紙企業へ伝える対話を重ねてきており、ニュースレターでまとめています。森とともに暮らすラオスの人々。ラオスの人々にとっての森の意味、また、なかなか届かない現地の人々の声を紙の需要国である日本に伝えていきたいと思っています。