村の森林区分を示す看板カムアン県でのプロジェクトも、あと半年で終了を迎える時期となりました。プロジェクト終了前に、これまでの活動の評価を4月初旬に行いました。JVCラオスで行っている活動は、土地森林委譲、森林ボランティア育成、ラタン育成、幼苗一本植え、果樹、堆肥づくりを含む自然農業、家庭菜園、井戸、米銀行と多岐にわたり、対象村は40村近くになっています。東京からも評価に参加する人々がやってきて、森林ボランティア育成と幼苗一本植えを行っている村を主に訪問しました。
森林ボランティア
森林調査内容を語る森林ボランティア土地森林委譲を実施し、森林ボランティア育成を行っているS村を訪問し、村の現状を尋ねました。約70世帯およそ400人近くが生活するS村では、森林ボランティアの人達を中心に、昨年11月、村の「利用林」の数箇所で林産物調査を行いました。村では、畑や家畜用のフェンスに年間数百本の樹木を消費し、新たな家建設のためにも数十本の大木が使われています。こうした村内の消費に対応していくため、利用林内の平均樹木数を把握する調査がなされたこと、この森から得て利用している野生生物や植物などは80種類近くあることなど、森林ボランティアから熱心に説明がありました。これら森の産物を村内で共に利用していくため、この村では数十世帯ごとに使うエリアを区分して、各エリアを管理する森林ボランティアが任命されています。
林産物に対する需要も増え、使える量が限られてきている中、この村にも「ユーカリ植林地が欲しい」と企業が訪問してきています。森林ボランティアや村の代表者たちは、村には岩地も多く開拓できる畑地にも限りがあり、森を次の世代にも残していきたいことから、この企業の申し入れをすでに断ったそうです。
幼苗一本植え
実践中の幼苗一本植えを見学農業の活動では、米の収穫量を上げる農法「幼苗一本植え(SRI)」を実施している村を訪問。田の中に貝が発生し、除去するのが大変ですが、通常の植え方よりも多くの分桔があり、今では多くの村の人が少しづつ取り入れ実践しています。村訪問では稲が順調に成長している様子を見学しました。この農法を実践していない人たちにもインタビューした所、「通常の植え方よりも沢山の米が実っているのを見ているよ。自分も若かったら実践する農法だ」と、今は年老いて田植え作業をやめたという年配の人達が語りました。農法の研修を受けていなくても、村内ではこの農法の利点がよく話されているようで実践者の田を実際に見に行ったりしているとのことです。実践者以外の人にも、この農法の良さが伝わっていることが見られました。
活動実施者と行政官によるレビュー
最終日には、各活動の実践者が約20村から集まり、活動を行っての利点や欠点をグループごとに話してもらいました。普段顔を合わせることの少ない人達が、お互いに実施している活動について話し合いました。あるグループでは様々な意見があがったり、あるグループでは中々話しが進まなかったりと、様々な場面がありつつも、熱心にこれまで実践してきたことを思い返して語り合いました。同じように行政官の人達にも、活動を思い返してもらい、郡行政、県行政、省庁という立場から意見交換してもらいました。このレビューで挙がった点を各活動ごとに整理して、プロジェクト終了前までにフォローしていく予定です。
