\n"; ?> JVC - 森林ボランティア研修(2007年10月) - ラオスマンスリーレポート

森林ボランティア研修(2007年10月)

ラオス森林プロジェクト担当 尾崎由嘉
2007年10月 1日 更新

5月から始まった雨季がそろそろ終わるかという10月始め、カムアン県では三日三晩と続く大雨、強風に見舞われました。普段は車で行ける村への道も、水が引かずに洪水状態で、舟を出すはめになりました。田の稲は黄金色になって実をつけ始めていましたが、風雨であちこちで穂が倒れ、水も被ってしまいました。これから稲刈り本番というタイミングで降った雨は、村の人達にとって大きな打撃となり、特に米の収穫が激減する結果になりました。

この雨が降った翌週、JVCは森林保全活動の一環で、森林管理研修を開催しました。「土地・森林委譲」。を行った村で、'森林ボランティア'(ページ下部参照)の育成を行っており、この日は村の森をどうやって持続的に管理していくかの研修を行う予定でした。大雨のため水浸しとなった軒下の清掃や家の補修、田畑の世話などで多忙の中、舟に乗るなどしてこの研修参加のためにタケークの町に9村から約20名の'森林ボランティア'と郡の行政官が集まりました。

村で行われた講義に聞き入る'森林ボランティア'村で行われた講義に聞き入る'森林ボランティア'

'森林ボランティア'は、村の森を守り、持続的に利用していくために活動する村の人たちです。ひとつの村で数十家庭が共に利用する森からは、家を建てる大木や小道具を作る竹やラタン(籐)、食糧のキノコやタケノコ、病を癒す薬草など、生活に必要な林産物が得られます。こうした森の産物がどの位あるかを把握する調査手法を学ぶため、近隣県で同様に活動するNGOスタッフを講師に招き、研修を行いました。研修初日には、森から収穫しているものは何か?どのように生活に役立っているか?などを話し合いました。この研修に期待するものは何か?の問いに対して、「村の森の産物がどれくらい減っていて、何が増えているのか、明確に分かるようになりたい」という声があがり、研修に対する高い意欲が感じられました。

調査を行ったK村の森林調査を行ったK村の森林

研修2日目には、実際に森に入って学んだ調査手法を実践。「村で新しく家を建てるための木が減っている。どの木をいつ、どれだけ使っていいか分かるようにしたい」というカムデンさんが住むK村の森で行いました。家族が増え、若い夫婦のための家を作るための木材や農地の要望が増える一方、村の周囲では工場建設や植林地拡大が進み、森林自体が減少しています。また、村の人口が増えていることから、森林から得る林産物の利用は以前より増えています。村の中心から30分ほど歩いた森の奥で、樹種、木の高さ、太さを把握する作業を行い、森の濃さ(密度)を知るために何百本とある幼樹も数えました。同じ樹種の木でも、育ち方が違えば測り方も異なり、手間がかかる作業ですが、村にとっての'宝箱'の中身を知るような作業です。近隣県から来た講師も「この村の森には、立派な樹木が残り、豊かですね」

K村での森林利用状況を語る'森林ボランティア'カムデンさんK村での森林利用状況を語る'森林ボランティア'カムデンさん

資源の減少について考える機会となったゲーム資源の減少について考える機会となったゲーム

森の調査後に、参加者全員で3チームに分かれて'資源の争奪'ゲームを行いました。チーム1はスプーン、チーム2はフォーク、チーム3は箸を使って、ひとつの桶に入っているキャンディーを取り、メンバーへ送り届けるゲームです。「早く!早く!」と、お互い声援し合い、熱気漂う場となりました。一番多くキャンディーを得ることができたのは、スプーンを使ったチーム。箸のチームもせっせと手を動かし、一粒づつ摘みあげては何度も何度も送り出していましたが、他のチームと差がでました。講師の先生は、キャンディーを資源に例えて、「今は、便利で機械的な道具を使うことで、一度に大量の資源を得ることが可能になっています。一方で、限られた道具しか持たない者は、限られた分しか得られない場合もあります。ひとつの場所の資源が、異なる手段で使われることも考え、資源をどのように使っていくのかを把握する大切さに気付いてもらえたらと思います」と語りました。

村の人々にとって森へ行くことは日常的で、その村の森の状態は誰よりもその村の人たちが分かっているものです。今回の研修では、各村から参加した'森林ボランティア'同士で、森が生活にどのように役立っているか、無限に見える林産物がどのように失われているか、失われるとどんな影響が起きるかなど、自分達の生活と森について語る機会にもなりました。K村のカムデンさんは、村の中で頻繁に出てくる『家建設のための木や農地を増やしたい』という要望に、どう対応していくか頭を悩ませていたようでしたが、この豊かさを急激に失わないためにも、「村全体で話し合って、研修で学んだ話をみんなに伝えるようにしていくよ」と語りました。

森林ボランティア
村の共有林を守り、土地や森を巡る問題に対して、村の中心になって動く森林ボランティアの育成をJVCでは行っている。現在、自然資源豊かに残る、およそ11村にて森林ボランティアの育成を行っている。