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8月15日 日本の終戦記念日にイラクの連続爆破事件の報を聞いて

イラク事業担当 原 文次郎
2011年8月23日 更新

ここ数年来、治安が改善されて来たと言われるイラク。しかし、8月15日(月)は南部の都市クートなど18都市で爆弾などによる連続攻撃があり、74人が死亡、300人が負傷し、2010年5月以来、最悪の攻撃となったと報じられている。(AFP通信、8月16日)

犠牲となった人々に対し哀悼の意を表するとともに、一般市民を巻き込み、殺傷する暴力的な行為に対し憤りを覚える。

イラクで活動をする人道支援関係者として、8月と言えば思い出すのは、2003年8月19日に起きた、在バグダッド国連事務所の爆破事件である。あれから8年が経つが、今でも爆破事件が起き、人々が殺傷されるということは、イラクはその後も変わっていないということなのだろうか。変わっていないと見せたい人々はいるのも事実であろうが、しかし、一方で、イラクの市民社会の中では争いを避け、暴力に依らず、対話を進めるなどして平和的に問題を解決しようという努力が少しずつでも進められているのも事実である。私はそのような人々の努力が実を結ぶのを信じている。

JVCは2009年度から、地元のイラク人NGOの協力を得て、イラク中北部のキルク-クで「子どもたちとつくる地域の平和」ワークショップを実施している。民族や宗教の異なる子どもたちの交流を通して、保護者をはじめとする地域の大人たちもこれに倣って交流が進み、対話を通して地域の問題を共に考え、解決して行くための環境づくりとなることを期待しての試みである。

キルク-クで実施中のワークショップの模様(7月)15日はこのキルク-クでも爆破事件があった。キルク-クで実施中のワークショップの模様(7月)15日はこのキルク-クでも爆破事件があった。

今回のような爆破事件の報を聞くたびに、何も変わらないイラクに絶望しそうになるが、一方で、イラクの中でも治安の悪い紛争地と言われるキルク-クのような地域の現場でも、地元の人々が対話を進めようという努力を進めていることを思い出すと救われた気持ちになる。

JVCは引き続きイラクでの活動を続けてこれらの人々の努力を支えていきたい。

「対話を通して民族の対立を防ぐ」イラクでの活動の模様はこちら