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暴力と隣り合わせの日常。アフガニスタンの危機的な治安状況

-身近にあふれる暴力の中で、武力によらない解決を求める-
アフガニスタン事業現地統括 小野山 亮
2018年5月24日 更新

アフガニスタンでは、これまでもお伝えしたように攻撃が頻発しており、暴力に常にさらされている状態で人々は過ごしています。

5月13日も、JVC事務所のあるジャララバード市で、県の財務局にて車両による自爆攻撃があり、スタッフも現場のすぐ近くに居合わせていました。いつ誰が犠牲になってもおかしくない、そんな本当に厳しい状況の中にアフガニスタンの人々はいます。

財務局への攻撃の後も、重装備の武装勢力との戦闘で、治安機構や政府関係者、武装勢力のほか、8名の市民の方を含む約10数名が死亡、約40名以上が負傷する事件「IS」を名乗る勢力が犯行声明を出しているようです。

この時、行政とNGOとの会合に参加していた現地スタッフは大きな爆音と銃声を聞いたそうです。また狙われた財務局は、会計のスタッフなどが定期的に訪問する場所で、この日も訪問予定だったのですが、現地での監査があったため、延期していたところでした。訪問日がずれなければ攻撃に巻き込まれていた可能性も高く、たまたま難を逃れることができました。

訪問日がずれたのは、監査法人がカブールにあって、つい数日前にあったカブールでの同時自爆攻撃のため、監査の時期が変更になったためでした。他の自爆攻撃の影響で、会計スタッフは今回の攻撃に遭遇しなかったことになります。
このカブールでの同時自爆攻撃は、先にご報告していた連続自爆事件とはまた別のものです。本当に立て続けに攻撃が起こっています。

この遅れが生じた監査のため、週末、日本人スタッフも現地との連絡を行っていたのですが、この事件についての情報が、安全管理専門のNGOから急に入りだしたため、ただ事ではないと感じました。

攻撃の現場から逃げる人びと攻撃の現場から逃げる人びと

写真は、事件の近くでの会合に出ていた現地スタッフが撮影した写真です。事務所に戻る際に、人びとが現場から走って逃げるところが写っています。以下はそのスタッフの言葉です。

「何が起こったのか尋ねたが、その人は恐怖で言葉が出てこなかった。危機的な状況だった。撮った写真が状況を表している。」

ここ最近、戦闘や都市部での事件も極端に増え、JVCの活動地があるナンガルハル県での事件数は倍になりました。治安の悪化が止まらない状況です。攻撃に巻き込まれて次々と市民も犠牲になっていきます。非常に厳しい状況にアフガニスタンの人々は置かれています。

JVCでは現地で武力に頼らない平和・非暴力の学び合いの活動を進めていますが、悪化する状況の中、さらに現地でできること、諸政府を含む関係機関・団体などへの提言も含め、できることも進めていきます。

またより多くの皆さまに現地の状況を知っていただきたく、皆さまにもこの情報の拡散・発信など、お願いできればと思います。
武力の応酬によるこれ以上の被害が出ないように、声をあげていきたいと思いますので、ぜひ、皆さまのお力をお貸しください。

今回の事件に際し、亡くなられた方のご冥福を謹んでお祈りするとともに、 ご家族や関係する皆さまに心より哀悼の意を表します。
そして、市民の死傷をもたらしたこの事件を強く非難します。

全ての関係勢力、関係者に、和平プロセスを進め、アフガニスタンに平和をもたらすことを求めます。

暴力で問題の解決をもたらすことはできません。それによってもたらされるのは悲しみと怒りだけです。

JVCは非暴力で平和をつくっていきます。(活動の詳細はこちら)