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アフガニスタンで始まった「ピースアクション!」(平和と非暴力の学び合い)

アフガニスタン事業担当 竹村 謙一
2017年6月29日 更新

旧ソ連軍がアフガニスタンに侵攻してから38年。その後の内戦、タリバン統治、「9/11米国同時多発攻撃」に端を発したアメリカなどの軍事介入、そして今、タリバンの勢力拡大、「IS」を名乗る勢力の浸透など、アフガニスタンは今も紛争の絶えない場所となっています。38年という年月の長さは、成人の多くが生まれてから一度も平和な時を過ごしたことがないことを意味します。
こうした背景の中、JVCアフガニスタン事業地のスタッフたちの発案により、「平和と非暴力の学び合い」の活動がはじまりました。彼らの多くは青年時代をパキスタンで避難民として過ごしました。紛争の中で生まれ、育ち、平和な時を知らずに今日まで生きてきた彼らだからこそ、自分たちの子どもには平和な国を残してあげたいという思いが強いのかもしれません。

平和と非暴力ワークショップで発言する若者平和と非暴力ワークショップで発言する若者

学び合いのためのワークショップには、JVCの保健・医療活動に協力してきた地元の青年ボランティアを含めた多くの若者たちが集まりました。10代から20代の若者です。ワークショップは、まず紛争と戦闘・戦争のちがいについて考えることから始まりました。紛争には、個人どうしの小さなもめごとから、集団どうし、国と国の大きな争いまで、いろいろな種類があります。紛争は広い意味での争いと言ってよいでしょう。集団で暮らしている人々の間では、考え方や価値観のちがい、利害などによって、争いごとが生じることは避けられません。争いを解決するために暴力を使うと、それは戦闘・戦争へと発展していきます。しかし、争いを本当に解決する手段は、暴力ではなく対話です。ワークショップでは、参加者が日々の暮らしの中で争いごとをどうやって解決してきたかを話し合いました。

争いを解決する方法を話し合う若者たち争いを解決する方法を話し合う若者たち

ある村の近くに見捨てられて長く使われていない土地がありました。その土地の所有権をめぐり最近二つの村が対立、戦闘になりかねない状況になりました。長老たちの仲介で戦闘はまぬがれましたが、アフガニスタンでは実際に銃器による殺傷事件が起きることもあります。闘いのために外部から武装勢力を呼び込み、その結果治安が悪化してしまった地域もあります。争いごとをどうやって対話で解決できるか、参加者たちは熱心に話し合いました。日常生活から暴力行為をなくす努力を、家庭から地域へ、そして国へと広げていくことで国全体の平和が築かれるとスタッフは考えています。

平和と非暴力ワークショップに参加した若者たち平和と非暴力ワークショップに参加した若者たち

今回のワークショップは、日本側ではなくJVCのアフガニスタン現地スタッフが自ら発案しました。アフガニスタンに平和を取り戻すために、私たちもぜひこの活動を応援していきたいと思います。今後も活動の進展を報告していきますので、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。