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アフガンスタッフ来日報告(1)「イベント」

2014年度 アフガニスタン事業インターン 佐藤 久実
2014年9月 9日 更新

6月、アフガニスタンから、活動地で村人の診療にあたっている医師と、薬などの物資を市場から調達するJVCスタッフが初めて来日いたしました!

6月20日、アフガニスタン事業現地スタッフ2名の来日に伴い、「アフガンスタッフと語る村の診療所、そしてイスラム」というイベントを行いました。今回来日したのは物資調達を担当しているサイード・サファラガと医師のモハマド・ナシームです。イベントではタイトルにある診療所での活動やイスラム教に加えて、彼らのライフヒストリーについても話してもらいました。プレゼンテーションは彼らの母国語であるパシュトー語で行い、通訳の方に入っていただきました。

コーランを朗誦するナシーム医師コーランを朗誦するナシーム医師

イベントは、現地の習慣に倣い、ナシームによるコーランの朗誦から始まりました。ナシームは敬虔なイスラム教徒で、地元のモスクでも礼拝の先導役を担うことがあるそうです。朗誦はアラビア語のため内容を理解することはできませんが、なにやら神聖な気持ちにさせられました。アフガン事業統括の小野山から活動地であるシェワ郡とナシーム医師が勤める簡易診療所での活動について説明を行い、いよいよ2人のプレゼンテーションへ。

ナシームは難民としてパキスタンに逃れるなど厳しい時代を生きてきており、2008年には親族の結婚式の際に米軍に誤爆され、多くの親戚を失うという非常に痛ましい事件を経験しています。身近な人が犠牲者になってしまうということに、参加者の方々も衝撃を受けていたようです。そういった厳しい環境でも教育を受け、医師となりJVCで働いていることを誇りに思っていると話してくれました。次にイスラム教に関して、「日本や欧米で誤解されているのでは」ということで女性の地位について説明がありました。同じ「男女平等」と言っても、その言葉が示すものは国や文化によって異なり、とても興味深かったです。

娘の写真を自慢げに見せる サファラガさん娘の写真を自慢げに見せる サファラガさん

物資調達のサファラガも難民になるなど厳しい子ども時代を過ごしましたが、現在は3人の子どものお父さんでもあります。自分の親がしてくれたように、子どもには良い教育を受けさせたいと願っており、子どもたちの写真を見せながら笑顔で語るサファラガからは家族への愛が強く感じられました。

プレゼンの後半では物資調達の仕事紹介をしたのですが、タイトルは「俺の一日」。市場での交渉や物品の確認など、縁の下の力持ちとして事業を支えているサファラガさんの姿が見えてきました。

懇親会の様子。多くの方に囲まれ、嬉しそうな表情を見せていました。懇親会の様子。多くの方に囲まれ、嬉しそうな表情を見せていました。

最後の質疑応答では、アフガニスタンの医療事情や治安状況に関する質問から、イスラムの教えに関するものまで多くの質問が出され、活発な議論になりました。参加者の方々からは「アフガニスタンを身近に感じることができた」「イスラムについての話が印象的だった」「治安が不安定な中で活動を行うスタッフの姿に感動した」などといった声を聞くことができました。

イベント終了後の懇親会にも10名以上の方が参加してくださり、ナシームとサファラガを囲んで医療や米軍撤退についてなど様々な質問を投げかけていました。2人とも、日本でも多くの人がアフガニスタンに興味をもっていることを知り、また様々な方と交流することができ喜んでいたようです。