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米軍 JVCのクリニックを占拠

JVCアフガニスタン現地代表 谷山 博史
2005年3月17日 更新

米軍はJVCが支援活動を行っているクリニックを占拠し、勝手に医療行為をおこなっています。

今日クナール県カス・クナール郡クリニックの院長がJVCを訪れた時に聞いた話によると、昨夜アサダバードの米軍基地からアメリカ人医師と軍関係者がクリニックにやって来て、翌日米軍が村人に薬を配るのでクリニックを明け渡すようにと告げられたそうです。米軍がクリニックに通告してきたときには既に村人への宣伝がされていたといいます。クリニックとの事前の相談がなかったばかりか、米軍の態度があまりに一方的だったことに院長は甚く憤慨しています。

院長は主要な資機材(JVCが支援した)が置いてある外来診療室、検査室、薬局、歯科治療室に鍵をかけ、ホールと保健教育のためのスペースだけを米軍にあてがい、ガード2人に監視するように命じました。JVCから出向している看護師のズルファカールは、退避したほうがいいとクリニックのスタッフに勧められましたが、それを断わってクリニック付設の宿舎に待機しているそうです。JVCからは院長に、米軍使用後の施設や備品の状況をチックすること、郡役所で米軍部隊の所属と目的、米人医師の名前を聞きくこと、許可証を持っていたか否か、持っていたとしたらどこの許可証だったかを確認するように言いました。事実を把握した上で必要なアクションをとろうと思っています。

郡所属ではない一般のクリニックで米軍が薬を配る等の援助活動をおこなうとどうなるか。まず第一に、クリニックが米軍関係の施設とみなされ反政府勢力の攻撃の対象になる恐れがあります。第二に住民の歓心を買うためにばら撒き援助を行っている米軍の人道援助活動によって、薬の処方を慎重に行い、不必要な薬を配らないようにし、また最低限ではありますが診療費を取ることでクリニックの運営の基礎を作ろうとしてきたJVCの方針を損なう恐れがあります。この2つはアフガンで活動しているNGOが軍による人道援助に対して抱いている共通の懸念となっています。

第一の点については、昨年6月北部バクディース県で3人の外国人医師を含む4人のスタッフが武装勢力によって待ち伏せされ殺害されたMSF(国境なき医師団)の撤退声明の中で明確に記されています。米軍による人道援助によって中立・非軍事を旨とするNGOの活動領域が狭められNGOの危険がますます増大していると。第二の点については、NGOのコーディネーションミーティングで常に問題にされています。例えば村に井戸を掘るに際して村人が労働力や地元で手に入る資材を提供することを条件にしているDACCARというNGO(JVCも同様の方針ですすめようとしている)の代表は、米軍PRT(Provincial Reconstruction Team)を前に「あんた達が住民の参加を無視して井戸を闇雲に掘っているおかげで、住民が自分たちで井戸を掘らなくなってしまう」と不満をぶちまける一幕がありました。

軍による人道援助は大きく分けて2種類あります。一つは軍直属の部隊が軍事作戦の一貫として人道援助をする場合(JVCが直面したのはこのケースだと思われる)。もう一つは、PRT(Provincial Reconstruction Team)と言って、復興を目的としているが、軍の民生部隊及びUSAIDとそれを保護する戦闘部隊との混合チームです。後者の例ではUSAIDが軍による復興援助に深く関わっています。

このことと直接的・間接的に関係があるのですが、USAIDによる援助はすべての活動に米国旗を掲げる方針があるようで、救急車や地方の小さな病院にまで米国のマークをつけさせています。今日事務所を訪ねてきたHEWADというNGOの代表が言っていました。USAIDとのコントラクト・アウトでガズニ県(パシュトゥーン・ベルト地域でまだ反政府活動が続く)全域での医療サービスを請け負うことになったNACは、USAIDからすべてのクリニックに米国のマークをつけるように要求されているが拒否しています。 NACのサブコントラクトで 7つのクリニックを運営することになっているHEWADも撤退を覚悟で反対するそうです。

どうしてこのような状況になったのか、そしてJVCはこれからどうしようとしているのかを、次の記事でお伝えしようと思います。