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新型コロナウイルス流行を受けて:活動地の状況および皆さまへのメッセージ(4月24日)

2020年4月24日 更新

いつも様々な形でJVCの活動を応援くださっている皆さまへ

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、不安な日々を過ごされているものと存じます。皆さま、そして皆さまの大切な方々の安全を、心よりお祈りしております。
また、このような状況下でも、スタッフへのいたわりの言葉を届けてくださる方、「こんな時こそ応援しています」とご支援くださる方々に、スタッフ一同を代表して感謝申し上げます。この困難な時期に、JVC、そして世界の人々に共感を寄せてくださり、本当にありがとうございます。

JVCは、今なお続く各地での格差や紛争状態に加え、感染症の蔓延およびその後の社会混乱が進む中、日本を含む世界各国の社会構造で、弱い立場に置かれた方々の暮らしが今後さらに困窮していくことを懸念しています。

私たちJVCが皆さまと共に支えてきた活動地の人々は、元より社会情勢の影響を受けやすい立場の人々です。彼らの暮らす地域でも、人々の感染への不安、情報格差、食糧不安など、すでに様々な負の影響が生じています。
各地の状況、支援活動については、以下リンクにまとめています。ぜひご覧ください。

アフガニスタン
イラク
カンボジア
コリア
スーダン
南スーダン
パレスチナ
南アフリカ
ラオス
モザンビーク(政策提言)
東京事務所

この情勢が一刻も早く落ち着くことを願いつつ、情報収集や聞き取りを続け、皆さまとともにJVCができることを模索してまいります。
そして、収束後の社会でも人々の暮らしを支え続けられるよう、これまで続けてきた活動も大切に守るための努力と試行を重ねてまいります。世界の人々のために、力をお貸しください。

事業地の方々からも、日本の方々に向けて、「日本は大丈夫ですか」「どうか安全でいてください」というメッセージが届いています。皆さまも、どうか引き続きご自愛ください。

2020年4月24日
日本国際ボランティアセンター 代表理事
今井 高樹

アフガニスタン

活動地の状況

保健省の発表では、4/23時点で1,221名の陽性者、42名の死者が報告されています。長年にわたる紛争の悪影響で、公衆衛生の体制なども整っておらず、また感染が多く広がっているイラン・パキスタンと国境を接していることもあり、人々はパンデミックの危険にさらされています。 活動地ナンガルハルで確認できている症例はまだ比較的少数ですが、感染の確認もできない患者がいることや、保健衛生や医療施設の不足、それらへのアクセスの困難を鑑みると、予断を許さない状況です。

また、感染拡大の影響を受けて食料全般、日用品の価格が2〜3倍に上がるなど、物価が高騰しています。蓄えのない人々の間には飢餓への不安が広まっており、その絶望から自殺者が出たことも報告されています。また、文字が読めない、インターネットにアクセスできない等、感染や衛生に関する正しい情報を得ることができない人々もいます。そしてこのような混乱に加え、反政府勢力・タリバンによる攻撃や、ISなど過激派組織活動も続いており、人々の生活をさらに追い詰めています。

活動について

パートナー団体「Your Voice Organization(YVO)」とともに、勤務中の衛生管理に配慮しながら、今年の実施を予定している識字教室の開催準備を進めています。
またYVOは4月上旬から、COVID-19感染予防のための啓発キャンペーンや、衛生キットの配布を始め、JVCもこの活動を支援しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
アフガニスタンで、現地パートナーYVOがCOVID-19感染拡大予防に動き出しました!
アフガニスタンでのCOVID-19対策キャンペーン 続報!

イラク

活動地の状況

イランの隣に位置するイラクでは2月下旬から感染者が増え続け、JVCの活動地キルクーク県は3/17から現在まで、一時的に部分的な解除をはさみながらロックダウン、逮捕・罰金を伴う外出禁止が続いています。
封鎖により食料の不足が懸念されており、実際に価格が高騰している県もあります。なお、長く続いた紛争の影響を受けた人々が、イラク国内にある86の避難民キャンプで暮らしており、衛生用品の不足やウイルスの蔓延が危惧されます。また、キャンプに入ることすらできず、厳しい環境で暮らしている人々の状況も懸念されています。

活動について

JVCのパートナー団体「インサーン」が続けてきた、子どもたちを対象とする「ピースヤード(平和のひろば)」および精神ケア活動については、当初4月から5月に今年度の実施を計画していましたが、現状を受けて6月以降の実施に変更しました。状況の収束を待って実施する予定です。
厳しい外出禁止の影響でNGOの活動も難しくなっていますが、インサーンと連絡をとりながら、引き続きできることを探していきます。

カンボジア

活動地の状況

カンボジア保健省によれば4/22時点で122名の感染者が出ているものの、4/13からの新規感染者が出ないなど、感染者の増加は緩やかになりつつあります。死亡者は出ておらず、累計治癒者は110名となりました。
3/9にカンボジア人初の感染者が報告された後、感染が広がる恐れから、全ての教育施設の休校、集会の禁止、入国要件を厳しくするなどの制限、国境の一部封鎖、人々の移動が懸念される正月休暇の延期などが行われてきました。
事業地では、手洗いの方法などを村にアナウンスして周る保健省のバイクや車が確認されており、また、生活用品や野菜などの大きな価格高騰は見られていません。JVCは4/20より、村で衛生用品が足りているかなどの簡易調査を開始しました。

活動について

農業研修など、人が集まる活動を停止しています。5月に始まる雨季前に掘削を終える必要があるため池の掘削と、スタッフが管理する試験農場の運営のみを続けています。スタッフはマスクを着用し、適切な距離を取って業務にあたっています。訪問が村人の不安につながらないよう注意を払いながら、衛生用品の有無や感染予防への取り組みなどについて、行政と連携し、できる範囲で聞き取りを行っています。
かねてよりJVCは、村人が食べ物を自給できることを目標として、家庭菜園の普及などを続けてきました。これらの活動が、先行きが不安な情勢の中で、人々の安心へとつながっていくことが期待されます。活動についての詳しい情報は、以下の記事にもまとまっています。
カンボジア農村のCOVID-19の影響と、今後について

コリア

活動について

JVCはこれまで「KOREAこどもキャンペーン」を通じ、日本と南北朝鮮半島、中国の子どもたちを絵画でつなぐ交流や、日本の大学生が平壌を訪問し現地の大学生と交流する活動を続けてきました。それぞれの地域で感染拡大が懸念され、国をあげて様々な対策が取られている中で、これまで「直接会うこと」を前提としていたJVCの活動も大きな影響を受けています。

東北アジアの子どもたちを絵でつなぐ活動「南北コリアと日本のともだち展」については、2020年度が20周年記念の年となります。今年は活動が大きく制限されることが予想されますが、「会えないからこそ絵で心をつなぐ」という原点に立ち返り、「会わないで出来ること」もあわせて模索しながら、引き続き、子どもたちの心を繋いでまいります。
大学生交流の活動「東北アジア大学生平和交流プログラム」も感染拡大の状況を見ながら、具体的な活動を調整していく予定です。大学生が自主的に参加し、考え、そして意見交換を通じて学び合う機会となるよう、出来る限りの範囲で環境を整えていきたいと思います。

スーダン

活動地の状況

4/23現在、外国人や海外からの帰国者を含むスーダン国内の感染者は150人を超えています。政府から非常事態宣言が発令され、国外との交通が全て遮断されたほか、3月下旬からは夜間の外出や、国内での州を越える移動も制限される状況が続いています。4/18からは首都ハルツームでロックダウンが宣言されるなど、政府による強い規制がかけられています。

スーダンは以前からインフレが続いており、ウイルスの影響が広がる中で、物価は上昇し続けています。食料や砂糖は、今年の初めと比べて2、3倍の価格に上がっているほか、国内の物資輸送が制限されているため、薬が手に入らないなどの影響を受けている方々もいます。また、人々のあいだでは、感染拡大に対する恐怖が広がっています。

活動について

3月半ばから、スーダン全土で学校が閉鎖されています。この影響により、教育の機会を得られなかった人々を対象にJVCが進めてきた補習校の活動が停止しています。また、物資の輸送も制限されているため、資材が必要な学校建設も見合わせている状況です。
活動地である南コルドファン州では、NGOによるコミュニティの訪問に保健省との事前相談が必要となり、移動許可は降りづらい状況です。スタッフはこの状況に対し、活動再開に向けた準備を進めながら、COVID-19対策を活動に含めることも視野に、現地の人々のニーズの把握に務めています。

南スーダン

活動地の状況

WHOによれば4/23現在、4名の感染者が発生しています。夜間外出が禁止されているほか、国境封鎖・空港の封鎖に加え、国内の移動も制限されています。
なお、依然として紛争の影響を色濃く残している南スーダンでは、人道支援が多くの人々の命綱となっています。首都と地方を結ぶ航空機の運航が止まり、国連機の運行も減便しているため、国連・NGOの活動への影響が懸念されます。また、国連職員から感染者が出ているために、国連職員の移動に対する制限や妨害もあります。
JVCの活動地である、スーダンとの国境に近いイーダ難民キャンプでは、近隣のキャンプとの間の移動が禁止されました。家族や親戚が別々のキャンプで生活しながら互いに食料や生活物資などを助け合うケースも多いため、影響が出始めています。

活動について

スーダンとの国境に位置するイーダ難民キャンプで、JVCは幼稚園支援と保護者がいない児童の保護を続けてきました。南スーダン全土で4月から学校が閉鎖されているため、幼稚園・学校は閉鎖となっていますが、JVCは可能な限り児童保護の活動を続けています。

パレスチナ

活動地の状況

WHOによれば、4/19時点でパレスチナ自治区(西岸、ガザ)の感染者数は300人を超えており、出入域を禁じる移動制限がかかっています。境界を接するイスラエル側ではよりウイルスが広がっており、感染者数が1万人を超え、働く人々には出勤人数の制限がかけられるなど、日本と同様に経済活動が鈍化しています。
イスラエル側に輸出入を依存し、同じ通貨を使用するパレスチナ側の経済もまた、すでに影響が出始めており、今後さらに厳しくなることが懸念されます。東エルサレムを含む西岸側から、毎日イスラエル側に働きに出ていた人々も移動制限で働くことが出来ず、日雇いで暮らしを繋いでいた人々が更に貧困化する恐れもあります。すでに窃盗事件が増えているなど、治安の悪化も心配されています。

活動について

東エルサレムでの活動は、これまで約7年続けてきた青少年を対象とした活動を終了し、次期活動に向けて新たなパートナー団体との調整を続けています。
ガザ地区での活動のパートナー団体「Ard El Insan(人間の大地、AEI)」は、子どもたちを栄養失調から守るための通常活動に加えて、新型コロナウイルスの予防対策を広めています。
難民キャンプや貧困地区のお母さんたちには、不安でパニックになっている方もいます。栄養失調や貧血、発達遅滞により専門の治療が必要な子どもを抱える人も、感染を恐れ、病院に行くことや長距離の移動を避ける傾向にあります。そのため、活動地で最低限のケアができるよう、一時的な簡易クリニックを開設し、感染予防に細心の注意を払いながら対応しています。その他、保健・栄養・衛生・子育てについてトレーニングを受けた地域の女性ボランティアたちが、SNSを通したカウンセリングや、感染予防知識の伝達を行っています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
COVID-19の蔓延と戦う、パレスチナ・ガザの女性たち

南アフリカ

活動地の状況

WHOによれば、4/22時点で約3,500名の感染者が報告されています。3/15に大統領から「国家的災害事態」が宣言され、「高リスク国」からの入国禁止、保育園から大学までの一斉休校、不要不急の移動への制限、お酒・タバコ販売の禁止、集会の禁止など、様々な対策が行われているほか、3/27からは全国でロックダウンが続いています。また、家庭訪問による感染状況の全戸検査が始まっており、JVCが活動する地域でも順次実施される予定です。

南アフリカは医療設備が整っている一方で、国民健康保険制度はないため、民間の保険に入れない貧困層の人々は質のいい医療サービスが受けられないなど、格差の悪影響が懸念されます。また、投資や資源を基盤とし輸入の比重が大きい南アフリカの経済構造の影響から、2月初旬からは活動地でも文房具などの日用品が手に入りづらくなっています。
活動地では主食のメイズを育てている人々が多く、メイズが収穫期を迎えているために当面の食料は確保できるものの、現地スタッフによればスーパーなどでは物価が上がっている様子が確認されています。

活動について

全国で教育機関が閉鎖されているため、JVCが親がいない等家庭環境が困難な状況下にある子どもたちのために協働しているDIC(子どもセンター)も閉められており、ロックダウンの影響もあって活動は停止しています。一方で、移動範囲や衛生面に配慮しながら、人々の生活への影響や食料調達の状況、パートナー団体スタッフのメンタル面などについて、現地スタッフによる人々(子どもたち含む)への聞き取りを開始しています。また南アフリカではDVが多いことが以前から社会問題となっており、ロックダウン下での人々の状況について、今後も情報収集を続けていく予定です。
JVCはこれまで南アフリカでの活動の中で、有機農業の手法を伝えながら、家庭菜園づくりの普及を進めてきました。ロックダウンが続く中、身近な自然環境を活かしながらつくる家庭菜園が人々の状況や安心感にどのように影響しているか調査を開始し、ロックダウン下でもできるサポート、例えば親のいない子どもたちに菜園で収穫した食料を届ける、子どもたちと野菜を作ることなど、できることを検討しています。

ラオス

活動地の状況

4月21日時点で、19名の感染者が発表されています。3月末に出された首相命令により、一部業種を除いての事務所勤務停止、生活必需品調達等以外での外出禁止、地域移動の禁止、集会の禁止などが宣言されており、これらの措置は5/3まで続く見込みです。活動地にある都市サワンナケートでは検問が設置され、人々の通行が厳しく制限されているほか、JVCの活動地でも、許可なく居住する村域外に出ることが禁じられ、取締りの対象になっています。
同じく首相命令により買い占め・値上げの禁止が宣言されており、取締りが行われている都市部での物価の混乱は見られていない模様です。一方、一部農村では物価が高騰しており、米の価格が1.5倍、塩は3倍になるなどの変化が見られています。

農村部では、未だ食料に関しては比較的自給度の高い暮らしが営まれており、親族や村内などで互助のしくみがあるほか、森や川からキノコ、タケノコ、魚などの食べ物を得ることができます。一方で昨年の洪水被害に遭った地域では、食料や米をつくるための種もみなどが不足しており、フォローが必要です。

活動について

水害の被災地では、主食である米が不足している人々のために、米銀行の設置やイネの種もみ配布のため資材の調達や運搬を進めており、予定通り実施できる見込みです。集会が禁止されているために法律研修などの開催は延期されますが、ため池の掘削などは例外的に許可を得て、必要最低限の人数とだけ会い、ウィルス対策を十分に行った上で進めています。また、現地スタッフは在宅勤務で業務を続けています。
JVCの活動では、これまでも農村部に暮らす人々の暮らしを支え、また村人自身による自然資源管理の支援を行ってきました。社会の混乱の中でも人々が安心して暮らせる一助となるよう、今後も活動を続けていきます。

モザンビーク

活動地の状況

4/22現在、モザンビークでは40件ほどの感染事例が報告されています。JVCがともにプロサバンナ事業へ反対を表明し協働してきた、同国北部ナンプーラ州農民連合代表のコスタ・エステバンさんによれば、人々は直接の触れ合いを避けているとのことです。
ただ、COVID-19による今後の生活への影響は指摘されています。現地の小農たちは、近隣の人々と畑仕事などを手伝いあう習慣がありますが、感染予防の観点から今年はそれができず、収穫の手が足りなくなる可能性、さらには収穫量が下がる恐れがあります。また移動制限により農産物の販売先が限られてしまい、仲買人に買い叩かれる事態が起きています。この状況が現金収入の減少につながり、衛生用品を含む生活必需品を買えない世帯が出ているという情報が入っています。

活動について

モザンビークでは2019年6月にサイクロンが発生しており、ソファラ州とマニカ州ではJVCが緊急支援を行いました。同10月にも洪水が生じ、農作物を育てることができなかった地域があるとの報告が、現地パートナー団体より寄せられています。
通常であれば、人々は被害を受けなかった地域で畑を借りたり、労働力を提供して食料を確保したりするなど、支え合って苦難を乗り切ります。しかし移動制限により今年はそれが不可能となり、被害を受けた小農たちの生活は困窮を極めています。
収穫が少ない世帯や地域に対し、小農同士のネットワークでサポートし合うことも難しくなっており、農民連合代表のコスタさんも「皆の様子を確認しに行きたいが、それができない」と嘆いています。その一方で、コスタさんからは「日本のみなさんが心配」という、温かいコメントも届いています。
JVCとしては引き続き情報収集を続け、現地からのニーズを聞き取りながら、支援の可能性を模索したいと考えています。

お問い合わせについて
東京事務所の5月31日までの一時閉所につき、電話受付は休止しており、郵送・FAXへの対応もお時間を頂戴しております。
各地の状況等についてのお問い合わせについては各担当スタッフに直接ご連絡いただくか、または団体代表アドレス(info@ngo-jvc.net)宛にメールでご連絡をいただけますようお願い申し上げます。