仮設住宅から、災害公営住宅や再建された住宅への移転が進む中、終の住み処となる地でのコミュニティ再生を目指し、現在JVCは、南相馬市原町区大町の災害公営住宅の住民たちが運営するサロン「大町きらきらサロン」のサポートを行っています。先日、大町きらきらサロンで行われる暑気払いに、お手伝いも兼ねて参加してきました。その様子を、一緒に同行してくれた東京事務所アルバイトの秋山さんがレポートします。
<以下、秋山さんレポート>
こんにちは。JVC東京事務所でアルバイトをしている秋山と申します。7月のある日、東京事務所のスタッフから「南相馬のイベントに行くのよ~」と聞きました。
震災から2年3年と時間が経つと被災者のその後の生活を伝える報道は段々と少なくなりました。
「私たちは忘れられているね」被災者のこんな言葉を聞きました。
「被災された方々を忘れていません。応援続けています!」この気持ちを伝えられればと思っていました。
私も南相馬に行ってもよいでしょうかと、スタッフに申し出ると快くOKをいただき、南相馬訪問となりました。
7月22日、南相馬市大町復興公営団地内の集会所にある大町きらきらサロンで、開かれた暑気払いイベントに参加しました。
当日は南相馬も30度を超える晴天。暑気払いに、ふさわしい?天気でした。
大町きらきらサロンに到着すると、外には、すでに昼食の流しそうめん用の台が準備されていました。昼食メニューは屋外で流しそうめんです。私は人生初の流しそうめん体験、ワクワクです。
竹筒を縦半分に切り、節をとって3本を連結、長さ約6メートルの大がかりな台です!
室内では、すでに歌やゲームのレクリエーションが始まっていました。
屋外からガラス越しに覗くと、笑顔で盛り上がっているのがわかります。
私は、昼食準備で、参加できなかったのですが、皆さんのゲームに臨む姿は、かなり力強かったです。
ほどよく、頭と体を使った後は、外に出て昼食タイムです。
皆さん、つゆ入りの器とお箸を持って、流し台の脇で待機します。そうめん以外にも、輪切りのキュウリに竹輪、さくらんぼ、ミニトマト、豆腐の角切りと次々流れてきます。ミニトマトは丸くてツルツル滑るので、「取れないわっ」なんてつぶやいている方も。
お腹一杯になった後は、涼しい室内で、食後の休憩です。私も涼しい部屋で住民の方々とお茶を飲みながら、おしゃべりに加わりました。糠床に味噌を混ぜるとおいしいとか、前はキュウリをよく食べたとか、他愛のない話をあれこれ、ゆったりと時間が流れます。
イベントのフィナーレは唄です。参加者全員で「ボケるな小唄」を歌った後、オオトリは、唄が上手と評判の住民の鈴木さんが民謡「相馬かんちょろりん」を披露してくれました。NHKのど自慢なら、鐘がいくつも鳴り響きそうな謡いっぷりでした。2016年8月29日のブログ記事『仮設で学んだ歌を披露』にも掲載されていますが、南相馬市は民謡の宝庫とも言われている土地、皆さん民謡に慣れ親しんでいて、唄には自然と合の手が入ります。「ホー」とか「ホーイ ホイ」と。初めて曲を聞く私も、真似して一緒に「ホー」と合の手を入れてみました。タイミングよくあった時は、一体感があって気持ちよかったです。
暑気払いには、住民の方、世話人の方、ボランティア合わせて計42名が参加しました。イベントは、歌って体を動かして食べて、と内容が盛沢山、そしてスムーズに、手際よく進行していきました。今まで世話人の方たち、住民の方々が努力を続けてきたから、このように楽しい集まりとなるのでしょう。
震災で大きく生活環境が変わり、心も体も疲労した住民の方には、心がゆったりする時間をたくさん過ごして欲しいと強く願いました。