災害FM放送のディレクター役の今野聡さん、機材担当の今野由喜さんの二人を迎えて、東京のJVC新事務所の近くの喫茶店で、報告会を開きました。今野聡さんは韓国のシンポジウムで発言したことがありますが、二人とも国内での報告会は初めてです。私も同席しました。
津波から遠い東京では、今野由喜さんの「津波にあって家は全喪失、自らも車で避難中に津波に飲まれ九死に一生を得た。農作業機を集め避難経路を切り開いた。原発事故のため一族郎党20数人で娘の嫁家に避難した」などの体験は、強い印象を与えたようです。たしかに、今野さんは放送局のメンバーでは最大の被災者ですが、南相馬では決して稀な例ではありません。約7万人の市民の内、津波で650人余りがなくなり、約6万人がいったんは市外に避難し、約2万人が避難を続けているのですから...。
今野さんの住んでいた小高区は警戒区域に指定され、現在も原則、人が入ることができません。4月には避難区域の見直しが行なわれる見通しですが、そのときから復旧が始まるのです。それを忘れてほしくない、と今野さんは強調しました。
JVCもそう思います。新年度はこれまで以上に、南相馬からの発信を強める予定です。