第3回南相馬市復興市民会議が開かれ、復興の基本理念、基本方針、主要施策が決まりました。
復興の基本理念のうち、スローガンは「心ひとつに 世界に誇る 南相馬の再興を」です。基本方針案としては、次の三つが示されました。①すべての市民が帰郷し、地域の絆で結ばれたまちの再生②逆境を飛躍に変える創造と活力のある経済復興③原子力災害を克服し世界に発信する安全・安心の町づくり―です。
基本方針のなかに、「脱原発までは無理としても、原子力に依存しない」という言葉を入れるべきだという意見が、複数の委員から出て、了承されました。細かい表現はこれから、事務局で検討することになりました。
復興の主要施策としては、緊急的対応、市民生活復興、経済復興、防災 まちづくり、人づくり・子育て環境の充実、原子力災害の克服の六つをあげています。
村田崇副市長は、「主要施策のなかに、最初になかった『緊急的対応』を入れ、原子力災害の克服を入れるなど、会議の意見を反映できたのではないかと思っている」と話しました。
この復興ビジョンをもとに、市は主要施策の具体的な取り組みを、個別の施策、事業にまとめた復興計画を12月までに立案することにしています。
復興ビジョンの討議に入る前に、市が取り組んでいる除染活動についての、発言が相次ぎました。 「なぜ被害者の南相馬市民が、自ら除染活動を行うのか」との意見には、市は「国や東京電力を待っているだけでは遅くなってしまう」と答えました。「予算を確保して、除染作業に関わる雇用の場を作ってほしい」という意見も出ました。