FM放送で新しいコーナー「今日の新聞から」を始めました。福島民報、福島民友新聞の二つの地元新聞から一つずつ記事を選んで紹介します。緊急時の必要な情報だけから、少しは楽しい放送への一歩です。
■避難所でラジオを聞く南相馬市民某新聞社がラジオ局の取材に来ました。取材記者と一緒に市内の小学校に開かれた避難所に行きました。南相馬市の中心部(原町区)は、前にも書いたように、緊急時避難準備地域に指定されているため、小中学校は北部の鹿島区にある施設で授業をしているので、学校にある避難所も「安泰」です。避難所は体育館で、腰の高さに仕切られて、約100人の人がいます。ここには、津波の被害者もいますが、南の原発の避難地域から来た人が多いようでした。ここでも、私たちのFM放送を楽しみに聞いている人がいて、頑張らねばと思いました。
ここには、「警戒地域になっている小高区に一人で住んでいた。防災無線で避難しろという指示があったが、車はないし、誰も迎えに来ないから、外にでないように、自宅にとどまっていた。市の職員が来て、じかに出るように言われたのは、4月の19日。翌日、位牌と着るものを小さなバッグに詰めてでてきた」「おれは4月28日まで頑張った。自分の家があるのに、こんなところには住みたくなかった」という人もいました。
彼らが住んでいた小高区というのは、相馬野馬追いという祭りの中心の一つですが、「牛や馬を放して避難したらしく、小高は動物がいっぱい。お馬さんは、馬追いのパレードのコースを、行ったり来たりしている。かしこいねえ」などと話していました。
避難所には、よく話す人も少数いますが、黙り込む人のほうが多いような気がします。同行していた市役所職員に、理不尽とも思える文句を言う人もました。職員は「公務員は叱られ役」と話していました。