仮設住宅における住民の心身の健康維持活動の記事一覧
気仙沼市では、震災から5年半が経過した現在でも、多くの住民が仮設住宅での生活を余儀なくされています(※)。今後、住宅再建を果たし、仮設住宅を退去する住民が増加する一方、様々な理由により、仮設住宅での生活を続けざるを得ない住民もいます(気仙沼市では、2019年3月をもって仮設住宅が解消される見通しとなっています)。
JVCは、2014年11月より鹿折地区7ヶ所の仮設住宅を対象に、3回の連続企画となる「さわやか健康相談」を開催してきました。この交流会を通じて、生活習慣の改善に効果的な情報を提供するとともに、心身の健康状態が懸念される住民を保健師、看護師、栄養士といった医療分野の専門家につなぎ、継続的にサポートすることができました。
また、「さわやか健康相談」の終了後は、「いきいき交流会」と名称を改め、医療分野の専門性を有する気仙沼地区サポートセンターとみやぎ心のケアセンターの協力を得て、交流会を継続することになりました。「いきいき交流会」では、「さわやか健康相談」と同様に、看護師などによる血圧・脈拍の測定および高血圧や不眠についての健康講話等を行ってきました。
震災から3年9ヶ月あまりが経過した現在でも、多くの住民の方々が仮設住宅等での「仮の生活」を送っています(※)。仮設住宅での暮らしが長期化するにつれ、住民の中には、精神的な不調や心身の衰えを訴える方もいます。
しかしながら、支援団体等による仮設住宅における活動は、住民の孤立の防止を目的とした交流事業および戸別訪問が中心となっており、住民の心身の健康維持を目的とした支援は充分とは言えません。加えて、住民が生活再建を果たし、仮設住宅での暮らしを終えるには、さらに数年を要することが予想されるため、今後ますます住民の心身の衰えが懸念されます。
このような状況の下、JVCは住民の心身の健康維持や生活習慣の改善に効果的な内容を取り入れた交流会「さわやか健康相談」を鹿折地区にある仮設住宅で開催しました。気仙沼市健康増進課の協力を得て実施したこの交流会では、保健師、看護師、栄養士による介護予防体操や血圧・脈拍の測定に加えて、健康に関する相談なども行いました。