JVCが活動している鹿折(ししおり)地区は、津波と火災によって大きな被害を受けました。特に商店が集まる地域は壊滅的な被害を受けたため、鹿折地区に住む方々の多くが、震災以降、不便な生活を余儀なくされてきました。車などの交通手段を持たない高齢者の方々は、依然として買い物の困難を抱えています。
「鹿折に買い物ができて、みんなが集まれる場所を-」。こうした思いのもとに地元商店主の方々が集まり、鹿折地区に初めて仮設商店街が生まれました。「気仙沼・鹿折復幸(ふっこう)マルシェ」(http://www.shishiori-marche.jp/)と名付けられたその仮設商店街は、3月10日に待望のグランドオープンを迎えました。さらに震災から一年となる3月11日、この「復幸マルシェ」が主催する追悼セレモニーが行われました。商店会長より依頼を受けたJVCは、両日にわたり、これらのイベントの運営に協力しました。
3月10日の「復幸マルシェ」グランドオープン当日、JVCは早朝よりテントの設営や機材の搬入・搬出、イベントに必要な道具の準備に追われました。11時、商店会長の開会宣言とともに、「復幸マルシェ」は華々しくオープンを迎え、気仙沼市長らの来賓あいさつ、鏡割りと続きました。鏡割りには、ボランティア代表として、JVCも参加しました。午後からは、地元の伝統芸能である浪板虎舞(なみいた とらまい)の披露や抽選会、餅まきなどが行われ、イベントは盛況のうちに終わりました。JVCは終日、裏方として、交通整理などのお手伝いをしました。
震災から一年となる3月11日の追悼セレモニーでは、午前中からミニコンサートや、鹿折中学校吹奏楽部による演奏、太鼓や民謡の披露が行われました。午後、多くの地域の方々が集まり、追悼セレモニーがしめやかに執り行われました。14時46分、一分間の黙祷。会場中央に設けられた献花台には花が溢れ、多くの人々が今回の震災によって犠牲になられた方々に対して手を合わせました。その後夜にかけて、神戸から贈られたロウソクを用いたキャンドルイベントが行われ、追悼セレモニーは静かに終わりを迎えました。
震災から一年。大切なものを失った悲しみや先行きの見えない不安を抱えながらも、地域の人々は、復興に向け一歩ずつ、その歩を進めています。JVCはこうした地域の人々に寄り添いながら、その歩みを支えるための活動を今後も続けていきます。