避難所閉鎖後、避難者の方々が仮設住宅に移られてからも、この野菜の提供は続きました。週一回、浦島小学校・仮設住宅(23戸)に配達される野菜は、入居者の方々自身の手によって分けられ、全ての世帯に届けられてきました。
10月上旬、仮設住宅の入居者の方から、次の様に伝えられました。「千葉県の農家の方々に、これまで野菜を提供してもらって、本当に助かりました。とても感謝しています。ただ、いつまでもその好意に甘えていてはいけないと思うのです。ですから、今回の提供で終わりにしてもらおうと思っています。最後に、何らかの形でお礼をしたいと思います」。
JVCは、仮設住宅の皆さんのこうした意向を受けて、感謝の気持ちを込めた寄せ書きのお手伝いをしました。まず、鶴ヶ浦の漁師の方に大漁旗を提供して頂きました。その上で、入居者の方々にメッセージを書き込んでもらいました。そして、11月6日に行われた「三里塚ワンパック野菜」の収穫祭に合わせて、出来上がった大漁旗をお届けしました。
約150名の参加があった「三里塚ワンパック野菜」の収穫祭当日には、農家の方々にこの大漁旗がお披露目されました。この際、写真展示などを通じて、JVCの気仙沼での活動や、鹿折地区の地域の方の取組についても合わせてご紹介頂きました。
「三里塚ワンパック野菜」の方に仮設住宅の皆さんの意向をお伝えしたところ、その方は次のように話していました。「週一回の提供は今回で終わりにしようと思いますが、せっかくできたつながりを大切にして、今後も月一回程度は野菜を提供したいと思っています。私達が震災の記憶を忘れないためにも、そうしたいのです」。
千葉県の農家の方々も、放射能の問題で、震災の影響を大きく受けています。震災後の支援をきっかけとして、気仙沼の人々と千葉県の農家の方々は、互いにつながりを持ちました。現在も月一回の野菜の提供が続いています。今後両者がそのつながりを温め、新たな関係を育んでいくために、JVCはこの様な相互交流のための支援活動を続けていきます。