10月22日と23日、
震災以降自治会がほとんど機能していない地域もある中で、幸いにして大浦、梶ヶ浦の自治会は機能しており、震災で移転を余儀なくされた方々の現在の所在も把握していました。そのため今回、神社の式典と芋煮会を開催するに当たり、自治会を通じて地域の人々に参加を呼び掛けることができました。
大浦・梶ヶ浦の自治会の依頼で、JVCは芋煮会の開催のための協力を行いました。まず、当日の段取りや事前の準備の内容を決めるために、自治会の方々と会合を重ねました。次に、自治会長とともに戸別訪問を行い、地域のご婦人方に芋煮作りの協力をお願いしました。また、芋煮会に必要な大鍋や食器類を提供しました。
22日の大浦の芋煮会は、雨の降りしきる生憎の天候となりましたが、参加者は約60名を数えました。男性陣は神社の清掃を、女性陣は芋煮作りをそれぞれ担当しました。JVCも住民の方々と一緒になって、清掃や芋煮作りに参加しました。神社の清掃が終了した後、流失を免れた家屋を使って、芋煮会が行われました。会は、自治会長や神社の総代長からの挨拶があった後、芋煮を食べながらの宴会となりました。参加者の中には、「震災前に戻った気分です」と語る方もいらっしゃいました。
梶ヶ浦の芋煮会が行われた23日は、汗ばむほどの陽気となり、参加者は約40名となりました。被災を免れた「熊野神社」で各々が参拝をすませた後、梶ヶ浦にある漁港で会は催されました。JVCは会場のセッティングから芋煮作り、会場の後片付けなどのお手伝いをしました。互いに離れ離れになった方同士が、久方ぶりに顔を合わせ、思い思いに会話を楽しんでいました。参加者は口々に「地元の人の顔を見ると安心する」と話していました。
大浦の芋煮会でも梶ヶ浦の芋煮会でも、話題の中心となったのは集団移転の問題でした。かつて居住していた場所で再び生活することが困難な状況下で、地域の人々が住み慣れた土地に戻るためには、集団移転という問題を考えていく必要があります。集団移転の問題においては、地域の人々が集まって話し合い、地域の総意として考えをまとめていく作業が必要不可欠です。JVCは地域の方々との交流を深めながら、住民が集まるためのきっかけ作りを今後も続けていきます。