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今、南スーダンで起きていることを知っていますか?

2022年7月30日 更新
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みなさん、こんにちは。JVCインターン生の阿見です。

南スーダンで何が起きているかご存知でしょうか。国際情勢へのアンテナがよっぽど高い人以外知らないことだと思います。私も恥ずかしながらJVCのインターンをしていなければ、このことを知っているか分かりません。

南スーダンは2011年に長い内戦の末に独立を果たした「世界で一番新しい国」です。現在、南スーダンでは、度重なる洪水被害や武力衝突から命からがら逃げてきた避難民の人々が多く存在し、重大な人道危機に瀕しています。今回、このNoteで南スーダンの避難民の方の状況を少しでも知っていただければ嬉しいです。

「私たちは政治の道具として殺されている」
翻弄される人々からの訴え

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南スーダン・ユニティ州レール郡(Leer County, Unity State)において、2022年4月上旬に軍の訓練施設で武力衝突が発生。

それを契機に、郡内の村々が広範囲にわたり武装グループに襲撃され、4月中旬に事態が鎮静化するまでに、現地のNGOによれば8万人以上が国内避難民となりました。

軍施設での衝突と武装グループによる村落襲撃の背景には、南スーダン政治・軍事における敵対的な二大勢力の緊張関係や駆け引きがあると言われており、聞き取りをした避難民リーダーは「自分たちは政治の道具として殺されている」と私たちに訴えました。

行き届かない支援
食料もなく、地べたで暮らすしかない窮状

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ユニティ州はもともと洪水により甚大な被害を被っていました。2019年から3年続き、2021年は「60年に一度」といわれるほどで、22万人以上が被災しています。その中でも州都ベンティウには相当数の国連機関、国際NGOの事務所があり人道支援が行われている一方、南のレール郡は活動する団体が限られることもあり、支援が十分に行き届いていません。

そのような状況のなか、武力衝突によりさらに多くの人々が避難民となり、状況は悪化の一途を辿っています。

急襲を受け、荷物を殆ど持たないまま子どもだけを引き連れ避難してきた世帯も多数います。拾い集めた薪を売る以外には現金収入の手段がなく、最低限の食料を得ることも困難な状況です。

JVCスタッフ橋口からのメッセージ

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南スーダンは半世紀に及ぶ内戦を経て2011年7月、分離独立を果たしました。しかしその後たった2年で再び内戦に陥り、2019年からは全国的に7つの州にまたがるような洪水被害、そして直近では武装勢力による襲撃と多くの人々が命を失い、逃れてきた人々も生きる希望を奪われるような状態へ追い詰められています。

これは独立当初から脆弱な政府には到底対処できない惨事(もしくは政治的理由で意図的に画策されたもの)であり、国連機関も必死の支援を続けますが、それでも増え続ける避難民を支えきれません。この延々と続く非常事態に人々は為す術もなく翻弄されれ、何度も何度も避難を繰返す生活の実態は、私たちの想像を絶する残酷極まりないものです。

理由も分からないまま誰かが殺しに来るので、子どもたちを連れて逃げるだけで精一杯。着の身着のままでナイル川に飛び込み、夜があけるまで川の中に身をひそめ、日が昇ってから中洲の小島にやっと上がる。日中に移動すると見つかって殺されるので、夜な夜な川の中を移動。国連平和維持部隊が避難民を保護する地域を目指して逃げたが、そのさなかで大勢の人が沼に溺れ、木の上から襲ってきた猛獣に子どもを食われ、毒蛇に噛まれ、ワニの餌食となり、死んでいったといいます。

命からがら避難民地区にたどりつき殺される心配がなくなったとしても、凄惨な体験に精神を病んで病気となり父親が亡くなったという人もいます。また、支援の行き届かない中での生活環境はかなり厳しく、トイレがないために数千人が連日野外排泄をし、味気ない植物の根っこを1日1回食べるのがやっと、汚い水もそのまま飲みながら命をつないでいます。

更に避難民の多くは屋根すらもない地べたで寝て夜を過ごしているために、雨季が本格的になれば、大人も子どもも豪雨に打たれながら寝られない夜を過ごすことになります。これはもはや人間の最も基本的な尊厳に対する侵害です。

避難民地区を訪れた私たちに過酷な体験を話してくれた避難民の人々からは、「このことを日本に伝えてほしい」「今までもいろんな団体が話を聞きに来たが何も起こらなかった」という声もありました。

今回の南スーダン出張で、私は想像を遥かに上まわる惨状に何度も圧倒されました。南スーダンの洪水は目を疑うほどに広大な面積を水没させる、まさに天変地異と呼ぶに相応しいものでした。また、避難民キャンプの衛生環境の劣悪さに、私はすぐに病気に罹り病院で治療を受けることになりました。

私はそうやって病気を治し日本に帰る立場だけれども、避難民の人たちにはここしか居場所がない。同じ地球なのに、同じ人間なのに、なぜこの人たちばかりが何年も何年も理不尽な思いを強いられ続けるのか。私たちは、この状況を見過ごさず、微力ではありますが、せめて避難民の皆さんが屋根の下で雨を凌げるよう、全力で支援を届けたいと思います。
どうか、皆さまのご支援をお願いいたします。

このJVC橋口の言葉からも、南スーダンで起きている差し迫った状況が伝わってきます。日本にいると、荷物を持たず、命からがら逃げること、雨風を凌げず夜を明かすこと、毎日野外での排泄を強いられることのどれも想像絶するものです。

ニュースで大きく取り上げられないからと言って、重大な問題でないわけではありません。重大な人道危機が差し迫ってる国があります。JVCでは、南スーダンの避難民の方がせめて屋根の下で雨を凌げるように活動する予定です。ぜひ、南スーダンの避難する人々に思いを馳せ、ご支援にご協力お願いします。

JVCの南スーダン緊急支援活動(寄付受付は7/31まで)

国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター(JVC)」は2022年4月から5月半ばにかけて新規事業立案のために南スーダンに現地調査に入り、度重なる洪水被害や武力衝突から命からがら逃げてきた避難民の人々があまりにも過酷な状況に置かれていることを目の当たりにし、これを見過ごしてはいけない、と強く感じました。

7月から本格的な雨期を迎えるにあたって、避難民にとっては風雨から身を守るためのシェルター確保が重要です。今回の緊急支援では、シェルターを設営・維持するための必須アイテムであるプラスチックシートの必要性が高まると考え、400枚を配布します。

ご寄付は7/31まで受け付けております。あまりにも厳しい危機的状況にある避難民たちに支援を届けるべく、どうかお力添えください。

南スーダン・ユニティ州の避難民緊急支援 見過ごせない人道危機への支援にどうかご協力ください

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