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マンガテン国内避難民キャンプ②
―子どもの就学状況とキャンプ住民の取り組み―

スーダン現地駐在員 山本 恭之
2019年11月12日 更新

話が違う?!制服があれば学費は免除されるはずじゃなかったの?

実は、以前のキャンプ②訪問時にもジェイムス・デンさんから「キャンプ内の90人の子どもが学校に通えていない」という話を聞いており、校長のポウチさんとも話し合いを行なっていました。

その当時の話では、「IDPs(国内避難民)は制服があれば学費は免除される」となっていましたが、果たしてどうなったのでしょう・・・

校長が不在だったため、自分の妹が小学校に通っているというマグゥングさん(前回の記事で登場した女性グループの1人)に話を聞いてみました。

「一番下の妹が学校に通っていてレベル7(日本でいう中学1年生)だけど、3500SSP(1500円程度)払っているよ。その内、500SPPは学用品に充てられ、学校から支給されているわ。IDPs(国内避難民)で制服を着ているからといって、学費が免除されることなんてないわ。」

「他にも制服や学校に行くための靴を買わないといけないの。制服は2500SSPくらいで、靴とソックスに1500SPPを支払ったわ。」

なんと、「制服を着ていれば、学費を払わず通学できる」という話が白紙になっていました。現在は学校に通う全員に学費の支払いが義務付けられているというのです。

その後、キャンプ内で、子どもたちが小学校に通う家族にも聞き取りを行いました。

「子どもたちは皆、制服を着て学校に通学しているわ。でも、学費や試験・証明書のお金は払っていないから、テストを受けても点数がつけられず、証明書も出ないの。制服は、親戚や他の家族からお金を借りて、近くのマーケットで、1800SSP~2500SSPで製作してもらったよ。」

キャンプで暮らす家族へのインタビューキャンプで暮らす家族へのインタビュー

一度、キャンプを離れ、キャンプリーダーとの約束を取り付けた後にキャンプに戻り、話を聞いてみることにしました。

キャンプリーダーを交えて、今後の活動について話し合う

ガブリエルさん(キャンプリーダー)が、現状を説明し始めました。

「確かに学費が無償になるという話はなくなってしまった。このキャンプにある学校はプライベートスクールだから、オーナーの一言で方針が変わってしまう。」

「子どもたちが抱えている問題は3つある。学費、制服、学用品だ。この中でも一番の問題は学費だ。制服や学用品があったとしても学校に通えない。また、学費だけではなく、試験や証明書の発行にもお金がかかる。」

制服があるだけでは、子どもたちは学校に通うことができないというのです。
そして、ガブリエルさんと副リーダーのウィリアムスさんから様々なアイデアが提案されました。

「小学校にお金がないから、子どもたちから学費を集めているんだ。小学校の支出は主に教員の手当であるから、キャンプ②の教員に対する手当を支援できないのか?」

「学校に生徒全員分の学用品を渡し、その代わりに子どもたちの学費無償の話を交渉してみてはどうか?」

「それがだめなら、教員ボランティアを育成し、彼らが学校の側で、子どもたちに教育を行うのはどうか?そうすれば教員への手当を支払わず、子どもが教育を受けられるようになる。」

様々な要望や意見が出ましたが、校長がいない状況では結論が出ず、出直して、次は校長のパウチさんも交えて協議を行うことにしました。

そして、最終協議へ

最終会合には以下のメンバーが参加しました。

ポウチさん(小学校校長)
ガブリエルさん(キャンプチェアパーソン)
ウィリアムスさん(副チェアパーソン)
そして、女性グループから3名。

ミーティングはマンゴーの木の下で行われるミーティングはマンゴーの木の下で行われる

最初に、今回の訪問で明らかになった問題や課題を再確認しました。

校長、ポウチさん「学費は据え置き。学費の金額は変えられない。」と意見を固持していましたが、キャンプリーダーのガブリエルさんと女性グループの3名は、子どもたちを学校に通えるようにするため、引き下がりません。

リーダー「試験や証明書については、なんとかできないか学校側と協議を進める。」

女性グループ「制服については、母親たちと相談して、自分たちで用意するように呼び掛けてみるわ!」

そうした議論を経て、JVCは以下の条件で支援を実施することにしました。


  1. JVCは学校の全児童300人に対して学用品の支援を行なう。
  2. 学校側が学校に通えていない90人のリストを作成し、JVCは学費をサポートする。
  3. リストに挙がった児童が通学できない場合、学校側はリスト再編を行ない、計90人が通学できるようにする。
  4. キャンプ側と学校側は児童のモニタリングとサポートを実施する。

リストに挙げられた子どもたちや保護者への連絡は、女性グループ(特にマドゥングさん)が中心となって実施することとなり、長い協議の末に方針が定まりました。

学用品を受けとる児童たち学用品を受けとる児童たち

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