先週、訪問介護のボランティアについて5つの村をまわりました。その際、ボランティアでは手に負えないケースがある場合には、その後の対応がLMCC(JVC現地パートナー)のマネージャーに相談されます。多くの場合は、家庭内では処理できず、コニュミティや、子どもが関与する場合は学校などのサポートを要するケースです。
私が、先週の訪問で一番はじめに出会った、14歳、HIV陽性者の男の子。見た目はどう見ても、8~9歳。話す声も弱々しく、目を合わせて会話することもありません。母親が数年前に原因不明の病で死亡し、今は中学校に通う姉と2人で暮らしています。
彼自身は、2008年からエイズの発症を抑ええる抗レトロウィルス薬を処方されているものの、父親が彼がHIVに感染していることを否定し、薬を隠してしまっているため服用出来ていないそう。最初の頃は、彼の通う小学校の校長先生が薬を管理し学校で服用するようにしていたものの、父親がある日理由なく激怒し、先生が彼の面倒をみることを止めさせてしまいました。訪問介護のボランティアも、ここ数ヶ月間父親と話すことすら出来ていないそうです。どうやら、父親もHIVに感染している可能性が高く、それを隠したいために、息子の感染も否定し続け、しまいには、子どもを遠ざけてしまっているようなのです。
LMCCの代表のリリーと一緒に、この男の子に再度会い、校長先生とも話しをしました。校長先生も親身になり、彼のことを心配してくれています。ただし、父親の話しになると表情は一変。「あんなに冷酷は人をみたことがない」と、顔をゆがめます。ボランティアも、彼の家族などにもサポートを求めてきていますが、みな父親を怖がり、行動をとれる人がいないそう。唯一、彼の面倒を見ているお姉さんも父親によって虐待され、いつも泣きながらボランティアのところにくるそうです。
一連の話しを聞いたリリーからの提案は、一時的に彼とお姉さんを孤児院に預けることでした。薬を定期的に服用し体力の回復をはかるのが、彼の命を救ううただ一つの方法で、それが父親の元にいたのでは困難であるという判断です。
ただし、父親を説得するのは難しいのでは?頭を悩ませた結果、父親が通う教会の神父さんに相談することに。彼らのサポートを得た上で、父親と話しをし、政府のソーシャル・ワーカー(社会福祉士)を通して、孤児院へ行くことを促してみることに。今後も校長先生と連携をとっていくことを確認し、その日は帰宅しました。
学校、教会、自治政府、NGOと連携して、解決の糸口を探っていきますが、結末を見るまでには少し時間がかかりそうです。
本来であれば、家族の中で子どもたちが育っていくのが最善なはず。でも、それがかなわない場合、私たちにはどのような選択肢が残されるのでしょう。孤児院に行くかどうかは、南アでは最終的には子どもたちの選択に委ねられるそうです。