現在南アフリカの若者たちの間で流行っているロックバンドのひとつに、白人の若い男の子の4人組のバンド「The Parlotones」があります。普段ゴスペルばかりを聴いているドゥドゥでさえオススメしてくるので、私も早速CDを購入して聴いてみました。90年代初頭に流行った「Oasis」や「Blur」などオルタナ系音楽を彷彿とさせ、ノリがよく聴きやすい音楽でした。そんなThe Parlotonesと彼らの音楽、白人だけではなく黒人の若者たちの間で非常に人気があるのです。南アではこれはめずらしことです。1998年に結成され、2007年にデビューしたばかりの彼らですが(結成は1998年)、その人気は絶大で、ワールドカップの前夜祭でも数多くの国際的に有名な歌手たちにまじってステージでパフォーマンスを披露していました。
ドゥドゥに人気の理由を聞いてみたら(ドゥドゥは普段若い男の子ことは「若造が」という感じで全く興味がありません)、曰く音楽がいいのはもちろんだけど「彼らの態度(attitude)がとてもいい」とのことでした。なんでもうまく説明はできないけど黒人・白人の壁を感じさせないのだそうです。
普段南アフリカで活動していると、好む好まざるに関わらず、日々「人種」のことを感じずにはいられず、現実としていまだその間に横たわる壁を見てため息をつくこともあります。「人類に対する犯罪」とまで言われたアパルトヘイトの歴史を繰り返さないためにはその経験を世代から世代へ伝えていくことは非常に大切なことです。しかしこのThe Parlotoneと彼らを支持する黒人の若者たちを見ていると、いっぽうでアパルトヘイトを(記憶のある頃に)経験していない若い世代が「人種?何それ?」と歴史の壁をひょいっと超えてしまうのかもしれないなとも思います。いつの時代も若者たちが思わぬ形で新しい時代をつくっていくのかなと小さな希望の光を見た気がしました。
2009年に発売されたアルバム「Stardust Galaxies」のジャケットです。
同じCDの裏ジャケットから。「The Parlotones」のメンバーたち。